novels.(Ash×victoria)
□この柔らかな翼の中で〜Hold you tight〜
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「この柔らかな翼の中で〜Hold you tight〜」
※アッシュ視点。
ヴィクトリア女王陛下のお熱が下がられてから、私たちはロンドンの街に所用で出かけた。
ああ、人が多い。不浄をまとった人間達がたくさん歩いている。
「アッシュ、やっぱりロンドンの街は混み合っているわね」
「ええ、陛下。人にぶつからないように気をつけて下さい。そうでなくても、陛下はお熱が下がったばかりなのですからね」
「・・・もう、子供扱いしないでちょうだい」
「おやおや、甘えん坊さんの陛下が何を言い出すかと思えば・・・」
「アッシュのバカ」
陛下はプィッと横を向いて足を早めて行かれる。
「危ないですよ、陛下・・・そんなに急がれては」
「大丈夫よ―あっ!きゃっ!」
「気をつけろっ!!」
「―だから言ったじゃないですか。これだけ人がいるのですからぶつかってしまうと―」
呆れたように言う私の瞳を少しだけ寂しそうに見つめるヴィクトリア様。
「・・・だって、久しぶりに外に出たんだもの。うかれてしまうわ」
「とにかくまだ、本調子ではないのですから―」
「アッ・・・シュ!」
突然抱き上げたので、驚かれてしまわれただろうか。けれど、こうでもしなければ、またぶつかってしまいそうで・・・不浄な人間の身体には、あまり触れさせたくはない・・・。
「このまま飛んでもいいのですが・・・」
「・・・人がたくさんいるわ。目立つじゃない」
「―そうですか・・・残念。ではこのまま失礼して」
「・・・っ////」
ヴィクトリア様の唇にそっとキスをしてゆっくりと歩き出した。
「ア・・・アッシュったら・・・」
「いいじゃないですか」
ヴィクトリア様の身体がどんどん熱くなっているのが分かる。
―このままゆっくりリラックスを。このような不浄な街を歩かせるわけにはいきませんからね。私のヴィクトリア様に・・・。
そう、この柔らかな翼であなたを優しく包んでさし上げますから・・・。
「この柔らかな翼の中で〜Hold you tight〜」end.
また、バカップル短編・・・。でもアッシュ好きですが。