novels.(ciel×lizzy)
□Guilty
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「シエル・・・」
遠慮がちに僕の部屋に入ってくるリジー
「・・・・」
ずいぶんと変わったものだ。昔なら―これがレディかと思うほどドタドタと靴音をたてながら部屋に入ってきて僕に抱きついていたくせに、な・・・。
「あの、渡したいものって―?」
小さく笑顔を作る、だが、どこか無理をしているような―。
「ああ、そこのソファーに座れ」
「・・・うん」
浅くソファーに腰掛けて、僕の顔をじっと見つめる。
どこか・・・不安気な表情をしているのは僕の気のせいか? それとも―早く帰りたいと思っているのか?
あの男(グレイ伯爵)のところに―
アイツの胸の中に―
胸の中―まるで荒波がたつようだ・・・
「シエル・・・?」
「あ、ああ・・・すまない。これを―」
僕は小箱から指輪を出して、リジーの隣に腰を下ろした。
「これ・・・」
「婚約指輪だ。気に入るかどうか分からんが・・・」
「あ・・・・」
戸惑っている瞳・・・僕の瞳と合わせようとしない。
けれど、関係ない―
「リジー、手を」
「・・・・はい」
僕の前におずおずと差し出される白い手。その細いしなやかな薬指に、シルバーダイヤの指輪をゆっくりとはめた。
「似合っている・・・」
「あ・・・で・・・も―」
僕は言いかけたリジーの言葉をキスでふさいだ。 聴きたくなかったからだ。
「ん・・・っ」
チュッ、チュ、チュ・・・
あの男のキスのアトがこの唇で消えればいいと思った。
そう、この身体中におとされたキスのアトも全て―・・・
「愛してる、リジー・・・」
「んっ、やぁ・・・」
顔中にキスしながら、ドレスのボタンを少し荒く外していく。
相変わらず―細い首が全て隠れるようなドレス。
あの男の唇のアトを僕に見られないようにするために・・・。
ドサ・・・
ソファーの上にしなやかな身体を倒す。
「―」
見えてくる白い肌・・・そして赤い唇のアト―この前よりも多くついているのが分かる。
「シエ・・・ル」
まるでもうやめてほしいというような声―けれど僕はやめない。
白い肌を・・・あの男の唇のアトをじっと見つめ、キスを落としては舌でなめていく。
ちゅ、ちゅっ・・・
「やだ・・・ぁ」
「―」
いつからそんな可愛い声を出すようになった?
僕はコルセットを脱がせると、熱い乳房に吸い付く。
「だ・・・め・・・・」
「リジー・・・」
否定の声とは思えないほどの甘い声。
こんな声、僕は知らない―。