Treasure
□グレリジ日常(小説)
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☆振り☆
「勝者! エリザベス・ミットフォード!」
審判の旗が上がった
「もう嫌!!」
リジーは外に出て膝を折り、両手で顔を覆った
そこに近付くグレイ
「リジー」
「…チャールズ」
リジーは涙を浮かべてグレイを見る
「どうしたの?」
「嫌なの…」
「…………」
「嫌なの! 剣なんて全然可愛くない! どうして練習試合なんて出なくちゃいけないの!?」
「ねぇ、リジー 今日母親来てないんでしょ?」
「えぇ」
「周りから強いと思われるのも嫌なんだよね?」
「そうよっ!」
「何で負けた振りとかしないの?」
「―――!!?」
バッ とグレイを見るリジー
「いや… 『その手があったか』みたいな顔されても…」
「……でも、やっぱりそれも無理…」
「何で?」
「身体が…勝手に動いちゃうもん…」
わーお……
どうしようもない。