Treasure

□蜜より甘い夜(小説)
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「…いや、そうじゃなくて…」

グレイは言いにくそうに顔を背ける

そんな様子にリジーは席を立ち、グレイの方へ踏みよった

「どうしたの? チャールズ今日なんか変よ、熱でも…」

リジーがグレイの額に手を伸ばしたが、触れることは叶わなかった
グレイがその手を取り、立ち上がった

「チャールズ…?」

グレイは何も言わずに近距離のリジーに近づく

「…………」

「えっ、何?」

そしてそのまま後ろのベッドへリジーを巻き込んで倒れた

「きゃ! え? チャールズ?」

「言ったよね?」

「えっ!?」

「ボクだけに笑いかけてって」

リジーの耳元で囁くグレイ

「チャールズ… もしかして…」

リジーは今までのチャールズの態度を理解した

「せっかく二人きりで旅行に来たのにあんなにはしゃいで
たらムードも何もあったものじゃないよ…」

「チャールズ… バカね」

リジーはグレイの首に腕を回した

「リジー?」

「私には貴方だけよ」

「リジー、君をくれるかい?」

「勿論、私もチャールズが…」








「…ふぁっ……ん…」

二人はベッドの上で身体を重ねる

「…っリジー 力…抜いて…」

「だ……って…」

グレイの下で涙ぐむリジー

グレイは微笑みを浮かべてリジーを見つめる

「可愛いよ、リジー…」

そっと唇を重ねる

くちゃ… と水音がたつ

「…んっ」

二人の身体は密着している
つーー、と銀の糸を引きリジーから離れるとリジーがグレイの顔をそっと両手で包み込んだ

「リジー…?」

「早いよチャールズ… もっと…」

潤む瞳でおねだりをするリジーにグレイは再び顔を近づける

「仰せのままに…」

「……んん…」

キスをしながらリジーはグレイの背中に手を回した

「―!」

リジー… 君はボクだけのものだよ…

誰にも触れさせてなんてあげない…



二人の密よりも甘い夜は続く


→あとがき
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