†猫の恩返し†
□ホントの気持ち。3
2ページ/10ページ
「はじめましてハルさん。わたくし、"Luise"と申します。」
淑やかな仕草でされた挨拶に、私も慌てて言葉を返す。
「あっ…は、はじめまして…っ!」
「ふふ、驚いたでしょう?人形が突然動いたから。」
「えっ、い、いいえ…」
だって…
あなたの姿は…彼に、似てるもの。
何故か胸が苦しくなって、
何も言えずにいる私に、
彼女は、にこ、っと微笑んで、静かにこう言った。
「あなたが驚かないのは、猫の事務所のオーナーと私が、同じ姿だからですよね。」
と。
…ドキン。
私の考えてたこと、
見透かされた?
やっぱりこのひとが。
…このひとが、あのルイーゼさん。
…バロンの、好きなひと。