藤の華

□薄紫色の
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三成の家臣達はワシを責めた。

「家康様…いや、家康が殿と御方様を殺めたのだ!!」

悲痛な顔で叫ぶ家臣、

……ああ、ワシが殺した。絆の力で世を納めるため、ワシが殺した。

家康は絆と世のためと声に出して伝えることが出来なかった。

佐和山城の門の中、殺気立った彼等の中で立ち竦む。

…どうすれば良かったのか?

今更迷っても時は戻らない、遅かったというのに…これでは何も変わらないじゃないか。
昔からワシは一歩も進んではいない?
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