Sweet dream

□Valentine rose1
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起きてすぐ顔を洗い、二代目、バージル、ネロに挨拶して部屋に戻って髪を結び直した。ただそれだけの間、しかも朝8時も過ぎてない時間だというのに。

「おはよう、ゆき。」
「お、おはよ……。」
何で部屋から出て二歩の所に若が立っているんだろう、しかも私が出るのを見計らったようなタイミングで。
起きるの早いねとか何で私の部屋の前に居るのとか依頼でもあるのとか、色々言いたい事は山ほどあったのだけれど、全て言葉として外に出て行くことはなかった。

「そういや、今日暇か?」
その代わり、なのだろうか、若が言葉を投げてくる。
「午前中なら空いてるけど。」
意外にも整頓されたままの頭で答えると、先程まで妙に不安そうな若の顔がパァっと明るくなる。「どうしたの」と言う前に、若の興奮した声がそれを遮った。
「じゃあ俺と出掛けようぜ!な?」
「あ、うん……。」
勢いに押されて返事をしてしまった。どこに行くのか聞きそびれてしまったし、いつ行くかも全く分からないままだ。
(ま、流石に何も決めずに誘うとは思わないけど……。)
とにかく細かい事は考えずに、若について行くことにした。

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