Let's rock!

□Devil's Halloween!!
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事務所は異様な雰囲気に包まれていた。全員が机に集まって立ったまま、そこに置かれている紙をじっと眺めている。
「なぁ、これどうする?」
若が全員に尋ねた。これを持って来たのは他でもない彼だが、自分では決めかねているらしい。
「俺は良いと思うぜ。どうせ依頼だしな。」
初代は賛成のようだが、ネロは不安らしく、重そうに口を開いた。
「でも、どんなやつが待ってんのか分かんねぇだろ?」
「何だ坊や。ビビってんのか?」
おっさんがいつもの調子でからかうとネロが過剰に反応し、言い返す。それをまあまあとゆきが落ち着かせてから、少しだけ中断された話し合いが再開する。
「だが、ネロの言う事も一理あるな。」
バージルはノリ気ではない様子。ネロの言う事も正論ではあるが、第一に自分はどうでも良いと言う感じだ。
全員、その内容に振り回されていた。滅多にスラムに手紙は来ないし、ましてや便利屋という胡散臭いような職をしている所に手紙が来る事自体が早々無い。送り主はダンテ、特におっさん行きつけの酒場のマスターからで、彼はマメで客も大事にする人であるからもしかしたら送って来るかも知れない。
依頼書というよりは招待状の方が正しいそれは深読みすれば罠だが、ただ単に親切心である誘いの言葉にもとれる。だからこそ無下に断るのも気が引けるのだ。
若 「こんだけ人数が揃ってるんだし、大丈夫とは思うけどな。」
初「俺は行くって方に賛成だ。」
バ「好きにしろ。」
二「行く方だな。」
ゆき「みんなが行くってなら行くけど、ネロはどうなの?」
ゆきがネロに尋ねるとネロは俯いたまま、考えた後に絞り出すように言った。
ネ「怪我しても知んねぇかんな。」
髭「よし、じゃあ行くか。」
全員の意見が一応だが纏まった。
二「仮装はどうするんだ。」

仮装、そう、仮装である。
この、全員で囲んでいた紙に書いてある内容は、この時期にはよくあるハロウィンパーティーの招待状である。つまり、仮装は必須だ。
「俺らは魔人化してたら良さそうだけどな。」
そんなのが五人も居るとか怖すぎである。目の前に居たらそりゃ悪魔も裸足で逃げ出すレベルだ。てか、一晩中魔人化してられるのか。
「それ、ネロとゆきはどうすんだよ。」
何か感覚がずれてないか初代。 突っ込むべき所はそこじゃない初代。
「ネロは後ろに青い背後霊みたいなの居るから良いんじゃね?」
おっさんも話に乗るな。あと背後霊って言ってやるな。声は凄いけどあの人(?)も頑張ってるんだよ。察してやれよ。
「論点おかしいと思わんのか阿呆共が。」
お兄ちゃん、問答無用で一刀両断しやがった。そのおかげで、話が元に戻る。
ネ「てか武器は持って行くのか?」
ネロの素朴な疑問に髭と初代が反応した。
初「俺は持って行く気はあったけど無理かもな。」
実はイフリートを装備して行く気満々だった初代の悩みどころらしい。
髭「武器無しでも人数いるし、大丈夫だ。」
おっさんが言うと信ぴょう性に欠けるが、言ってることは確かなので、信じて良いだろう。スパーダの血族が六人とデビルハンターをやっている少女1人がいて、負けるとも思えない。
ネロの疑問が解決したところで仮装をどうするかの問題がまだ残っている。
「私、知り合いに人数分くらいならかけよって見るけど……。」
ゆきが控えめに言うとみんな驚いた表情になる。そして代表するように二代目が呟いた。
「そんな知り合いが居るのか。」
「まぁ色んな酒場に居た時は仲良くなった人もいるし、マスターならツテがありそうだから。」
酒場は色んな人が集まるため、人間関係の網が広く、細かく張られている。その中心のマスターならツテがあるだろう。
「分かった。じゃあ俺らも探してくる。」
初代が立ち上がりエボニーとアイボリーをホルダーに突っ込んだが何に使う気なのだろう。あまり気にしてはダメなのか。
二代目もそれに続き、扉を閉めた。
若「ほら、バージル!俺らも行こうぜ!」バ「何で俺が貴様に付き合わされなければならないんだ。」
ネ「おい、おっさん。働け。」髭「こういうのはやりたいやつがや「働け。」

取り敢えず、大丈夫そうだ。

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