Let's rock!

□Make the pokey!
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買い物から帰ってきた二代目がその袋をひっくり返した瞬間、何をしているんだと一瞬だけ驚いた。日用品とかは足りているし、彼も「甘い物が食べたい」と言って出掛けたから少なくとも割れる物は無いと思ったが、いつも丁寧に出している姿を見慣れていると焦るものだ。

中身を見て、驚きも焦りも消えた。その中身は箱がたくさん入っていた。見たことのあるパッケージで棒状のお菓子の代表三つがバラバラと出てきた。つまりポッキー、プリッツ、トッポが山ほど出てきたのだ。

「に、二代目……それどうしたの?」
ゆきが色とりどりの箱を見ながら尋ねた。他の住人も気になるようで様子をのぞき込むようにして見ている。急な二代目の行動は今に始まった事ではないが、イマイチ何を考えいるか分からないので尋ねる他、真意を知る事は出来ない。
二代目は入れていた袋を畳むと種類ごとに箱をまとめながら言った。
「今日はポッキーの日らしいからな。折角だから買った。」
なるほど、確かに11月11日はポッキーの日とお菓子会社が宣伝している。それ、日本だけじゃないか?という疑問は大西洋あたりに投げ捨てておいてほしい。
「それってジャパンだけじゃないのか?」
おい、おっさん、言った側からそういうのやめろ。お前ごと大西洋に投げ捨てるぞ。
「まぁそこは良いだろ。にしても、かなり買ってるな……二代目……。」
ちょっと家計が心配になるネロ。本当にどこまでいってもオカンである。
バ「おい、フランはどうした。」
そこでもない気がするぞ。てかバージルはフラン派なのか。それが個人的に一番気になるのだが。
初「これどうするんだ?普通に食べるのは面白くねぇしな。」
やはりダンテ達は普通に食べるという選択肢を持っていないらしい。バージルが「食べ物で遊ぶな」とは言うがこれを何もせずにただ食べるのは甘党でもキツイものがあるし、正直小説の内容的なものでもキツイ。
と、メタ発言をしてしまったが、ダンテ達はやはり普通に食べる気はない。
若「何?ポッキーゲームでもするか?男女の比おかしいけど。」
髭「という事はゆきが全員と……「絶対やだ。」
ゆきの反応が超速で、おっさんがだいぶヘコむ。
綺麗な即答ってこういう事を言うんだと思うと後にネロは語った。
バ「男同士でやるのは絶対に断固拒否するぞ。」
誰もそんな光景は望んでいないので、やれと言われてもやらないだろう。となるとどうやって遊ぶのか。

若「じゃあメチャクチャでけぇポッキーでも作ろうぜ!」
ネ「はぁ?!どうやって作るんだよ?」
作ること自体には特に異論はないようだ。確かにどうやってポッキーを作るかすら謎だし、買ってきたものを使うにしても巨大なものを作るのにはちょっとどうやるのか想像出来ない。言った本人も動きを止めて真剣に悩みだした。
ゆき「プリッツとポッキーの棒の部分だけ引っ付けてチョコをコーティングすれば?」
初「でもどうやって引っ付けるんだ?柔な固定だと取れるぞ。」
バ「卵白を使って固定するか、アイシングという方法がある。卵白の方が手軽だが時間がかかるだろうな。」
二「べっこう飴を使う手もある。アイシングは面倒だろう。」
なかなか専門的な話になってきた。というより、なんでそんな事に詳しいんだお前ら。本当に仕事はデビルハンターで合っているのか謎である。
彼らの意見の中では卵白を使うのが一番早そうだ。べっこう飴が大量にあるかと言われれば微妙だろうし、まずあるかすらも分からない。
髭「なら卵使うので良いだろ。
上のチョコはポッキーとトッポのを溶かすのか?」
忘れてはいけないチョコ部分。なんかもうチョコをコーティングするだけだからそれは良いんじゃないだろうかと思うが、変な事をしてやり直しするのもそれはそれでアホらしい。
ゆき「それもありだけど時間かかる作業ばっか……。」
卵白でくっつけるのも、チョコを溶かしてコーティングするのもかなり時間が要ると思われる作業だ。
どうせ暇だから時間は気にしなくて良いんだろう。
若「まぁ良いじゃん。やろうぜ!」
こうして、謎のポッキー制作が始まった。

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