Let's rock!

□ホワイトデーって何だっけ
1ページ/5ページ

「どうしよう……。」
私は悩みに悩み、そして途方に暮れていた。今日は3月14日、日本でいうとホワイトデーにあたる日だ。お返しがくるか、返事はどうかと期待と不安を胸に抱き、ドキドキしながら相手を待つイベントだが私はどうすれば良いのかさっぱりだった。と言うのも、
「バレンタイン、あげたし貰ったもんなぁ……。」
はぁ〜と大きなため息を一つつく。こういうのはどうするべきなのだろうか。私があげた分はそれほど手が凝ってる訳でもなかったから、何か返した方が良い気もする。でも何も用意してないし、いい案すら浮かばない。誰も居ない事務所のソファに、もう一度ため息をついて凭れかかった。

「何やってんだ?」
「あ、ネロおかえり。」
買い物から帰って来たネロに遭遇した。重そうな荷物を、軽々と片付けていくネロに先ほどの疑問をぶつけてみようかと思う。解決するかは分からないけど、訊かないよりマシだ。
「ねぇネロ、バレンタインのお返しどうしたら良いと思う?」
私がそう言うと、ネロはキョトンとした顔をして首を傾げた。何の事を言ってるのか分からないらしい。
「あ、そういやホワイトデーってやつか。」
そういえば、こっちではホワイトデーっていう習慣は無いんだった。ネロは偶然知ってたから良いけど、ダンテ達は知らないかも知れない。
「そうそう。ダンテ達とバージルにお返しがしたいんだけど……何かいい案無い?」
うーんと唸りながら、腕組みをして考えてくれるネロ。悩みながら視線を上げると、案をくれた。
「やっぱあいつらは苺チョコとかなら喜ぶんじゃねぇか?バージルはビターとかなら食べそうだし。」
やはり男性目線からアドバイスを貰えると心強い。と言うより、これは普通に彼らの好みな気もするな。
とは言え、折角の意見だ。参考にさせてもらう他はない。
「うん!分かった、ありがとうネロ。」
そして踵を返そうとすると、ネロに呼び止められる。何だろう。何か気をつける事でもあるんだろうか。
「あいつら、今夜は全員事務所に居るはずだ。渡すなら夜の方が楽だと思うぞ。」
まさか、そんな情報だとは思わなかった。ネロに頷き返し、今度こそ買い物をしに外へ出た。

.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ