魔界へ
□第4章 He is the strongest man
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月明かりがまぶしい。
そのせいではないだろうが、俺は異様に眠れなかった。
だから、あまりガラではないがこうして月を眺めて眠れるまで時間を潰しているのである。
月がおそろしいほどに綺麗だ。
流石に寝た方が良いかも知れないと思い、目を閉じると、悪魔の気配を感じ、すぐに目を開けた。
「プレゼントは気に入ってもらえましたか?」
声の方を見るとあの少女のような悪魔がいた。
「まあな。まさか自分が送られるなんて思わなかったさ。」
上半身だけを起こす。すると悪魔はクスッと笑った。
「スパーダの息子には、スパーダの息子を と思ったのです。」
その言葉を聞いて俺は悪魔をにらんだ。
「最初から、知っていたのか。」
声のトーンを下げると悪魔は少し怯える。
「いえ、後で知りましたよ。でなければ戦おうとも思わなかったでしょうに…。」
俺達はスパーダの血筋としてかなり悪魔達には知られている。 あまり良いイメージじゃないが。
おそらく、他の悪魔からきいたんだろうが。
「そう言えばあなた達が初代と呼んでいるダンテはお察しのとおり、パラレルワールドの住人ですよ。」
急に悪魔が話題を変えた。不思議に思ってると話を続けた。
「まだ、満足していただけないのなら私なりに考えていますが…。どうでしょう?」
俺はフッと笑った。
挑発的な笑み。
「次は満足させてくれよ?」
そう言うと、悪魔は窓際に立ち、こう言い放って夜の闇に消えた。
「楽しみしてて下さい。ですが、気を付けて。 私は気まぐれなのです。」