魔界へ

□第8章 They decid to meet the mystery girl
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若とバージルが来た日の翌朝。
割と早い時間なのだがバージルがいた。
「Good morning.早いな。バージル。」
「あぁ、貴様もだが、どうした。」
バージルと話すのは緊張し、変に構えてしまう。
始めも、声をかけるかどうかすら迷ったほどだ。
「俺は飯作らねぇとだからな。バージルは?」
言葉の変わりにバージルは手に持っていたカップを少し持ち上げてネロに見せた。
どうやらコーヒーを飲みに来ていたらしい。
雨のせいで肌寒いし、うるさくて眠れなかったのかも知れない。

朝食の準備に取りかかろうとするネロにバージルが
「先に顔を洗ったらどうだ。」
「あっ…。そうする。」
そう言えば起きたばかりだった。
キッチンを後にして洗面所へとネロは向かった。

顔を洗って再びキッチンに立つ。さて、どうするか。
腕まくりをしながら頭をひねる。
来た最初の頃はほとんど空と言って良いほど何もなかった冷蔵庫を開けて、メニューを浮かべる。

出来た。メニューに沿った材料を手早く取る。
「いつも貴様が料理しているのか。」
コーヒーを啜りながら、いつの間にかキッチンの前に座っているバージル。
ネロは玉ねぎの皮を剥きながら答えた。
「んー、二代目はよく手伝ってくれるし、初代も頼めばやってくれるから、1人でってわけじゃないけど、まぁ、してるな。」
「そうか…」
ネロの言葉を聞いた後、バージルは立ち上がりカップを置いた。
腕まくりをしながらネロの横に立つ。
その一連の動作をいつの間にか手を止め、じっと見ていたネロが、調理を再開しながら言う。
「料理出来んのか、あんた。」
「あぁ。」
短い返事。何となく分かっていたが、あまりおしゃべりは好きじゃねえのかなとネロは思う。
言葉もきつめでストレートなものが多いし、今の所、自分から好んで話そうとしてない感じだ。
まぁネロも静かなのは苦手ではないので、そのまま調理をする。
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