長話

□序章
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年齢:カオル15歳
イタチ13歳
サスケ7歳 設定です。




降りしきる雨の中、15歳ほどの男は

同じくらいの歳の女の亡骸を・・・支えていた。


自らが持つ、刀は・・・彼女を貫き

彼女の血が未だに男を彩っていた

それも雨のせいで徐々に薄れていく。



『・・・どうして・・・』


彼は呟いた。


どうしてなのだと。


何故だ、と。


男は思う。


この任務はーーーー”火の国に危害を加えるスパイの・・・始末”ではなかったのか

彼女の任務もまた、そのようなものだったはずだ。


・・・・・、正確には人物の情報など教えられなかった。
ただ指定された時間に指定された場所で始末しろと言われただけだった。
上を疑うこともせず、誠実に従ってきたことの・・・末路、だとでもいうのだろうか。


狙いはなんだったのか。
いや、わからなくはない。

と自嘲した。

『・・・俺が、死ねばよかった』


彼は里を震わせるほどの力量の持ち主だといわれている。

うちは一族の長の長男。
かつてのうちはマダラとも遜色がない才能、力量、瞳力だと謳われている。
もしくは・・・生まれ変わりだとも。



『はは・・・恐れをなしたか・・・っ、』


カオルを殺せば、彼女は英雄とでも謳われたのだろう。

カオルが彼女を殺すことができないと知っていたからこそ彼女が最も適任だったのだろう。

だが、カオルは躊躇いなく刀で突き刺した


それが誰かも・・・・確認せず。


それが愛おしい、大切だと認識した彼女だったと確認した時には、もう遅い。


”    ”


彼女は何かを言ったはずだ。

しかし・・・聞き取れなかったーーーー。



『・・・・・・・・護れないばかりか、俺が・・・殺した・・・・・・・・・・・・・・・』


男ーーーーーうちはカオルはこの日。

初めて、涙を・・・・流し


最後の涙をも、流した。
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