長話2


□序章
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それからすぐだった。


いや


徐々に・・・狂っていった。



狂っていったんだ。




『君を・・・必ず取り戻すよ・・・、必ず、ね』


気付いたらもう




引き返せなくなっていた




ターゲットの女たちがやめて、と


叫ぶたび、快楽に犯されるようになった。



それを殺すことも。


いかに綺麗に殺すか考えることも


でもねーーーーーー。





『僕が君の傍に言ったほうが早いよね・・・』


青年は笑い・・・そしてーーーーー




自らの首を切ったんだーーーーー。



『あいしてる・・・、よ・・・、ひ・・・な、柊那・・・』


青年の命はーーー


終わりを告げた。

沈んでいく意識の中朦朧と思った。

ねえ、柊那ーーー?

何百以上も殺した

彼女たちの命を悔みなどしない。


むしろ、こんなことをしてでも・・・

”どうしても、君に、傍にいて欲しかった”


青年は・・・笑ったんだ。




青年の中には


後悔など有りはせず・・・



”なんで柊那が死んで




どうでもいいお前達が生きているんだ”



僕にとって・・・ーー、世界より君が大事のにね。

なのに何故・・・僕の傍には・・・君がいないの?

どうして君が死んだのに、世界の人間どもは笑っているんだろう。

いっそのこと・・・・・・・・・・消えてしまえばいいのにね。

君のいない世界は酷く醜くて


汚いーーーーーーーーー。


全ての人間が、憎くて許せなくて。

逆恨みだと分かっていても

柊那の代わりにお前たちが死ねばよかったんだと


ーーー何故、


柊那が死ななければならなかったのか



わからなくて。


ただ世界と人間を恨んだ。


強い憎しみがーーーー残り、世に散蒔かれた。
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