花束を君に

□No.3
1ページ/2ページ





「これがトリトーンか……格好いいね」
サキは呟く。
「操作に癖があるんだ」
ジンは、サキに機体について説明をはじめた。
水色の機体は、まるで海の神様のようで。
サキはその機体に見入っていると、ジンが少し微笑む。
「どうやってカスタマイズしているの? コアボックスとか、さ」
意外なところに食いついてきたのか、目を丸くするジン。
「そうか、なら……」
そして、ジンの長い説明が始まった。
時々分からないことがあってもサキはすぐに質問をしたし、ジンも分かりやすく応対した。
サキの眼はキラキラした宝石みたいに耀き、本当にLBXが好きなことが窺える。
「ハンマーなんだ」
細身の機体に合うのかなと思っていたが、色合いが一緒だから意外とマッチしているのかもと考える。
「ジン、後でバトルしようぜ!」
「ああ、バンくん」
「二人とも頑張れー」
「おっ、久しぶりだなーバンとジンのバトル!」
「そうね、盛り上がりすぎよカズは」
「良いじゃねえかよ」
キタジマにあるジオラマで手合わせをすることになったバンとジン。
バトルの強いバンと渡り合えるということは、海道くんも強いのかな。
サキはそう思っていた。

「行け、オーディーンMk.2!!」
「トリトーン、起動!!」
白の機体と水色の機体。
ナイトフレームの2機は、ランスとハンマーで争う。
流れの速さのせいで、瞬きが出来ない。
押して押されての攻防戦。
目に焼き付けられるような戦いだった。
アミが時間制限で3分間と決めていたが、互角すぎてその時間がひどく短く思える。
とりあえず、私には出来ないかな。
そうサキは渇いた笑いを浮かべて試合を見る。
「必殺ファンクション!」
『アタックファンクション、グロリアスレイ』
バンが必殺ファンクションを発動させる。
ジンが押されたかに見えたが。
「必殺ファンクション!」
『アタックファンクション、オーシャンブラスト』
なんとジンも必殺ファンクションを発動した。
ダメージが酷かった両機は、互いの必殺ファンクションを受けて同時にブレイクオーバー。
白熱した戦いに、思わずCCMをきつく握ってしまったサキ。
「すげーよな、あいつら」
カズヤが緊張感の無い声で言うなり、アミに睨まれた。
バンのライバルか。
そうサキはバンの隣に立つ変人を見た。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ