DY小説

□kiss me, kiss you
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イザークはキスが好きだ。



勿論本人がそう言った訳じゃないけれど、
多分…、いや、絶対そうだと思う。


おはようのキスと、おやすみのキスは必ずする。
行ってきますのキスも、おかえりのキスもする。


二人で甘い時間を過ごす時も、イザークはよくキスをねだってくるようになった。





最近なんて。


――


「イザーク。仕事中だよ?
…誰かに見られちゃうだろ?」


「うるさい…。ここには、誰も居ないだろ…っ。」


「…もー。」





少し前までは、仕事中に俺がイザークにキスしようとしていつも怒られていたのに。
今となってはその真逆。


本当は、俺もダメって言って断るべきなんだよな。
隊長を監視するのも副官の役目なんだけど。




「…どこにして欲しい?」





…本当に俺は、いつまで経ってもイザークに甘い。




「…、…い、いつもと…同じ…所…。」


「ん、りょーかい。」




“いつもの場所”。

イザークがいつも俺に求めてくるものは、
唇と唇での口づけ。

この時、イザークはいつも幸せそうな顔をしている。





ああ。

けどやっぱり、
イザークとキスをするのは幸せだ。


愛おしさがこみ上げてきて、堪らずイザークの腰に手を回すと、そっと抱き締め返してくれる。



イザークのキスはまだ少しぎこちないけれど、
目を閉じて、一生懸命に唇に吸い付いてくる。




すげえ可愛い。


可愛いなんて言ったら怒られるけど、


本当に可愛い。






一度唇を離すと、イザークは目の周りを赤くしてこちらを見る。



「…。」




あ。

もう一回して欲しそう。




「イザーク。」




名前を呼んでイザークが反応したのを合図に、再び唇を重ね合わせる。



「んぅ…っ。」






…うわ。


すっごく気持ち良さそう。


キスだけでイっちゃうんじゃないかってくらい、とろとろな顔してる。



そんなカオすんなよ。
まだお昼だし仕事中だっつーの。



隊長がこんなんじゃ、今もし奇襲に遭ったらやられちまうかもな。
イザークとこんなことをしながら死ねるなんて、それはそれで悪くないけど。


…けどま、あの世じゃこうしてキスできるかわかんねえし、
だったらやっぱ、死ぬわけにもいかねえか。


と、そんなことを考えながら、俺もイザークとの口づけに夢中になった。
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