愛しきやし

□愛しきやし
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湘南の夜
繁華街みたいな場所に安いペラペラの服を着た麻里絵はいた。

【リボーンズ】

そこに麻里絵は入っていた。
麻里絵の仕事場らしい。

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小さな個室の中で…

コスプレをした麻里絵が入り口で立っていた

麻里絵「こんばんわ、イチゴです!」

イチゴとは麻里絵のリボーンズでのペンネーム。

客「こんな若いのに…こんな仕事大変だろ(笑)こんな店来るのは、じじぃが大半だろうしね。」

麻里絵「いえいえ(苦笑)このへんですか?」

客の腰をマッサージしている麻里絵。

客「そのへん、そのへん。」

沈黙が続く…

客が話をし出した

客「俺さぁ。会社で俺より若いやつから最近注意受けるようになっちゃってさぁ…嫁からもよく怒られるしさぁ…」

麻里絵「みんな、大変ですよね…」

客「イチゴちゃんも?」

麻里絵は苦笑いをした。

客「あっ、ごめんね。」

麻里絵「いや…」

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仕事が終わり…

麻里絵は湘南の駅の近くにある【美穂子】というスナックにいつもよって帰ることにしている。

麻里絵「ヤッホー」

美穂子「お疲れ〜」

麻里絵「いつもので」

美穂子「了解」

麻里絵はいつもの物を頼んでいつもの席、カウンターの恥っこに座る。

麻里絵「今日はいつもより混んでるね(笑)」

美穂子「月曜日はいつもこんな感じだよ(笑)」

麻里絵「あと少しなんだけどね〜その後どうしようか迷ってる…」

美穂子「ん…?えっ(笑)ごめんなんの話?」

麻里絵「あっ、ほら。借金の話。」

美穂子「あー。」

麻里絵「借金返したら今の仕事やめようと思っていたけど…」

美穂子「なかなかないよね…今の時代…仕事ね…」

麻里絵「うん…だから借金返しても今の仕事やってるかもしれない。」

美穂子「そっか…バイトとかは?」

麻里絵「なんだろ…あるんだけど良いのがないの…時給がね…」

美穂子「あ…そっか。うちで働かしてあげたいけど私一人で精一杯だからさぁ…」

麻里絵「いやいや、大丈夫です(笑)」

美穂子「どーぞー」

美穂子はいつものお酒とおつまみを麻里絵に出す。

麻里絵「ありがとー」

麻里絵はスマホで求人広告のホームページを見た。

麻里絵「全然ない…」

その時スナックのドアが開いた。

美穂子「おー!里子!」

里子「よっ!」

美穂子「お疲れ〜いつものね。」

里子「うん。」

里子は麻里絵の席の隣に来て

里子「ここいいですか?」

麻里絵「いいですよー」

美穂子「二人とも良く来てくれるけど顔見知りじゃなかったの?」

里子「良くこのお店来るんですか?」

麻里絵「はい。仕事帰りにいつも」

里子「私も」

麻里絵「今までも会っていたのかもしれませんね。」

里子「そうてすね(笑)」

美穂子「そうなんだー。顔見知りじゃなかったんだ… どーぞー」

里子に軽い定食を出した。

里子「ありがとー」

麻里絵「まだご飯食べてなかったんですか?」

麻里絵は時計を見た。
もう、深夜の12時になりそうだった。

里子「うん…(苦笑)バイトでさぁ深夜まで働かないと、全然お金にならないから…」

麻里絵「…。みんな、大変だよね。」

里子「ん?」

麻里絵「ん?あっ、いや…やっぱりお金稼ぐのは大変だな〜って思って」

里子「そりゃそうだよ。仕事帰り?」

麻里絵「うん…人には恥ずかしくて言えない仕事だけど…(笑)親の借金返さなくちゃいけなくて。」

里子「うわー。大変だね。なかなか稼げないでしょ…?」

麻里絵「うん…体売ってんのにね…って思うときある…(苦笑)」

里子「そうだよね…あっそうだ。お互い苦労同士、名前教えてよ。私は信川里子」

里子はお酒をグッと飲んだ。

麻里絵「苦労同士(笑)ぴったりだわ…私の名前は木戸麻里絵。よろしくね」

美穂子「なんかめっちゃ気あってんじゃん(笑)いつのまに…」

里子と麻里絵 は笑った。

里子「苦労同士仲良くなりました(笑)」

美穂子「てか。二人とも同い年じゃない?」

麻里絵「マジで?!」

里子「26」

里子は麻里絵の顔を見た。

麻里絵「マジか。私も26」

里子「やばいな(笑)」

麻里絵「26年間生きてきてこんなに気が合う友達初かも。」

里子「私もだわ」

美穂子「なんか色々すごいね(笑)」

色々世間話をしているうちに1時を過ぎていた。

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店をでた二人はもうずっと前から仲良しだったような雰囲気をだしていた。

里子「私はこっち。」

里子は左を指した。

麻里絵「私はあっちだ。」

里子「そっかー。」

麻里絵「うん。じゃあ。」

麻里絵は里子にまたスナックで会えることを期待しようと思ったときだ。

里子「あのさぁ。明日私の家来ない?」

麻里絵「えっ?」

里子「よかったら?」

麻里絵「まじで?いいの?明日、仕事とないの!!」

里子「私は昼間仕事だから…夕方来てよ。夜ご飯作るから。あっ、まずいのでよければ…(笑)」

麻里絵「全然…構いません(笑)とか、言ってうまいでしょー(笑)」

里子「(笑)食べてみれば分かる(笑)じゃあさぁ。5時にスナックの前でいい?」

麻里絵「りょーかい。楽しみにしとくわ。あっ、メアドと電話番号教えるよ。私のだけ教えるから後で連絡して!」

麻里絵はバックの中からスマホをだした。

里子「いいよー」

里子もバックの中からスマホを出そうとしたとき。

麻里絵「あっ、いいや。今紙あるから紙に書くわ。」

里子「りょーかい(笑)」

麻里絵は紙とペンを出してメアドと電話番号を書いた。

麻里絵「はーい。」

里子「どーもー家帰ったらメールするわ」

麻里絵「りょーかい。じゃあね」

里子「また明日〜」



続く
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