ヴァンパイア騎士 -蒼の姫-

砂時計を返して時を進めて
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『...夜会?』
「ええ。三日後の晩、英の家で行われるのだけれど」


夜間部での授業を終えた私を引き止めた瑠佳は、微笑みと共にそう言った。


『...私は遠慮しておくわ』
「どうして?何か用事でもあるのかしら?」
『そういう訳ではないけど...、これまで姿を晦ましていた純血種が突然姿を現したりしたら、皆が驚くじゃない』
「それは、そうかもしれないけれど...」


中々引き下がらない瑠佳は、珍しく強情。
私の言葉に食い下がらない事は滅多に無いからか、何故だか少し嬉しくなってしまう。
少しでも対等に会話をしてくれる人がそう多くないからこそ、無意識に笑みを浮かべてしまう。


「その、...姫咲に逢いたいと思ってる方が居らっしゃると思うし...」
『嘘が下手ねえ、貴女は。...全く』


吃りながら、頬を僅かに紅潮させる瑠佳。
至極冷静とも言える通常の彼女がこう言うくらいだからきっと、それなりの事柄なんだろうけど。
要するに、『純血の君』に逢いたいと思っている貴族が居ると。そういうことだろう。


「...姫咲、」
『仕方無いわね』
「えっ、来てくれるの!?」
『...貴女の頼みですものね』


ゆるりと笑んで、瑠佳の手を取るり白磁の肌に口付ける。
目に見える動揺をする瑠佳は可愛くて、その美しさと相まって、とても綺麗に映った。















(仮面舞踏会ならば)
(易々と顔を出す事さえ厭わないけれど)
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