Shine blast

□守護神とエース
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朝早く目が覚めて、時計を見ると朝の四時過ぎだった。寝てから六時間くらいだけど、案外回復して、体の痛みもほとんどない。

ぼやけた視界に入った携帯には通知が来ていて、メールが三件。着信履歴は正直見たくないほどだ。




1件目は澤村さんから。

「合宿お疲れ。この間先生から連絡があって、GW中の合宿の最終日に東京の音駒高校と練習試合をすることになった。
都合が大丈夫だったら、顔を出してくれ。清水もお前がいなくて少し寂しそうにしてたからな(笑)」


音駒って........。
確か烏野とは古くからの因縁みたいなものがあるっていうのは聞いたことがあるけど、それ以前に.....


『クロと研磨が居るじゃんか.....』

なんてこった。
寝起きには重い話に嘆息しつつ、次を見る。





2件目は飛雄から。

「GW最終日に練習試合が決まった。それまでに学校来るんだったら、自主練付き合え」

『...........え、以上?』

スクロールしてもなにしても二文。
お疲れ様的な1クッションもないのかコイツは。さすがオブラートの要らない世界の住人だ。




3件目の相手を見た瞬間、もう初夏に入りかけているというのに、嫌な汗が流れた気がした。



「副島 聖亜」



脳内で反芻したその名前に、上体を起こす。
覚悟を決めるように息を呑む。


「この間の選抜で無事通ったから、代表候補入りした。辞めたとか聞いたけど、もし負けてもブランクだとか言い訳したら容赦なく潰すから覚悟しといてね。

悠亜から聞いたけど、右に変えたんだってね。次会う時までに全盛期まで戻しといてよ、楽しくないからさ。精々無茶してね」


『あのバカ........』

思わず鼻で笑い、携帯を握り締める。


かつての仲間の中でも1、2を争う皮肉屋のコイツは誰かと喧嘩をする度に七割方暴力沙汰になる。それは記憶の中でも新しく、卒業間際にもそれを起こして当時の顧問が躍起になっていたのを覚えている。

同じ立場になってって事は、次会うっていうのは多分夏休みだからあと三ヶ月くらい。ブランクを取り戻すのには充分な期間だ。




『...試すほど度胸あるとはね』


思わず笑みが零れる。
寝起きでぼんやりしていた思考回路を覚醒させてくれた事にだけ百歩譲って感謝してやりながらベッドから降りる。

寝巻きを脱ぎ捨てて着替える。
髪を結んでもう一度携帯を拾い上げ、「お前もな」とだけ返信して、部屋を出た。





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