スノードロップ

失ったあの日
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あれは一昨年の夏。
全国大会の準決勝。

沢山のギャラリーは、私達の学校の応援が殆どってぐらいで、その声援が凄かったのは今でも覚えている。



私が居た中学は所謂強豪校。
全国出場は当たり前みたいなもので、毎年ベスト4は確実だと言われていた。
そこの主将だった私は特に注目されることが多くて、他県の選手にも知られていた。
そんな私達が準決勝で当たった相手は、今年初の全国出場を果たした中学。強いスパイカーが居て、チームワークを重んじているのはすぐに分かった。

1セット目終了時

25 - 6

チームメイト達は至極冷静だったけど。監督は決勝戦への温存のためだと私を下げて、控えの子を出した。
特に話し合いもせずに、2セット目。
控えの子は試合に出ると思っていなかったのか多少ギクシャクしていたところはあったけど、チームメイト達のフォローのお陰で点を稼いでいく。
相手チームは徐々に開いていく点差に動揺を隠しきれずにミスを連発。こちらが20点になった頃には、既に戦意喪失といった感じだった。

25 - 2

少しの失点は良しとして、私達は泣きながらコートを出て行く相手校を見送る。
でも、何とも思わなかった。

...強い方がコートに残る。それだけだ。






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