スノードロップ

弱虫にあと一歩をください
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「柊、大丈夫か?」
『.......え?』
「今日顔色悪いぞ。それにフラついてるしな」
『そう、ですか?』
「風邪ひいてるんじゃないのか?」
「今日は私達が分担してやっとくから、帰って休みなよ。んで明日元気になっておいで!」
『いやいや大丈夫です』
「いーから。お前体調崩したら戻すの時間かかるだろ?無理すんなって」
『うー.....』


放課後。
委員会があったけど、その途中で生徒会の人達に半ば強制的に帰らされた。会長に至っては校門まで見送りに来た。


「部活の方にも俺から言っとくから、安静にしとけよ」

『...ありがとうございます』





_ _ _ _ _ _



『....うわ』


ピピッ、と鳴った体温計に表示されたのは無情にも[39℃]の数字。
朝からなんとなく怠かったけど、まさかホントに風邪だとは。いざ実感すると気分が悪くなってきて、目眩までしてきた。

時計を見ると五時を過ぎていて、今頃皆部活やってるんだろうなーなんてぼんやり考えているとテーブルの上に置いていたスマートフォンが着信を知らせる。
液晶には部活中のはずの若利の名前が表示されていて、体温が上がった。


『....はい』
「風邪か?」
『ん、』
「昨日遅くまで起きていた、とかそういう理由だろう」
『まあね。寝れなくて』
「寝不足か」
『そう、みたい』
「熱は測ったか?」
『......39℃』


そう言った途端、電話が切れた。
通話終了を知らせる画面を見つめる事数秒。不思議な感覚を覚えつつスマートフォンをテーブルの上に置いてソファに寝転ぶ。
ここで寝たら悪化するだろうけど今の私には動く気力なんてなくて、そのまま目を閉じた。







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