the dayと勝手にコラボ

□消えることのない罪
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「はなしてよ!!ソロの奴!!許さないんだから!!」

姫様が小僧をこらしめにいくと言って聞かぬ

気持ちはわからなくはないが…
少しは…女性らしく…

お見合いも断り、姫様は自分より強い人じゃないと結婚しないと…

このままでは…サントハイムが…

一人…姫様を慕う奴がいたが…そやつは…叶わぬ恋に…苦しみ…側にいてくれた仲間と結婚したしのう…

「姫様!ブライ様!一体!!」

頭の中で噂をすればクリフトがやってきた

「姫様が小僧をこらしめにいくと言って聞かんのじゃ!!」

「クリフト!止めないで!!」

このやりとりで何があったか悟ったらしく

「姫様…お気持ちはわかりますが…おやめください…」

「クリフトまで!何で!!止めるの!!」

「……姫様は【当事者】ではありません…仮に…本人がそうしたいのであれば…私は…静観いたします…ですが…第三者の姫様が仮に彼をこらしめても…事態をややこしくするだけです…」

正論じゃ…

「そんなぁ!!でも…」

「でも…ではありません…姫様…力で何とかしようなどと考えないでください…今私たちに出来るのは…彼女を探しだして安否を確認し、仲間として彼女にとって最良の距離をとることでは?彼をこらしめても彼女の望みとは限りません…」

「何よ…それ…」

「クリフトの言う通りよ…アリーナ…いい加減にしなさい!!」

「ソフィアさん、帰ってたんですか…」

クリフトの妻となったソフィア殿がやってきた

「ええ…移民の街で似た人が目撃されていたわ…」

今まさに話題の彼女を探しに世界中を駆け回っていたのだった

「移民の街!なら今から…」

キメラの翼を放り投げようとした姫様を…クリフトが頬を叩いた

「…え…」

一瞬…何が怒ったのか…わからない儂…

「いい加減にしてください…あなたは…力で…人の気持ちは…変わりません…当事者でないのですから…静観するしかありませんよ…仮にもこれから大国をおさめる主となる方が…何でも力で…は…」

いつもより低いトーンのクリフトの声…
しかし…震えている…泣いている…

「……叩いてしまい…申し訳ありません…」

「…いいよ…わたしも…とりあえず…今日は…引き下がる…けど…やっぱりソロのこと…わたしが…ミネアの立場なら…許せないから…」

姫様は自室へと駆け出した

「ブライ様…」

「…姫様にはいい薬じゃ…クリフト…今日の業務は?」

「…後は教会に戻り…日誌をつけたら終わりです…」

「そうか…なら…儂から教会に言っておくからたまにはソフィア殿と夫婦水入らずで過ごせ…」

「ありがとうございます…」

「おじいさん、ありがとう…」

頭を下げる二人…

未だに泣いているクリフトにそっとよりそいながら歩くソフィア殿を見ながら…

「もし…今姫様がクリフトに…となったら…クリフトはどうするのか…クリフトは間違いなく揺れる…小僧のことは…他人事ではないな…」

誰にも聞こえないようにそっと呟いた

ふと窓をみたら西日がさしこんでいた…
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