ム
□あなたという存在
1ページ/2ページ
「待たせてごめん、雪乃さん。……あれ?」
それはとある休日の出来事。
その日は休日という事で、ロッジには顔を出さなくていいと言われていた。
ほんの30分前までは。
神狩屋から連絡を受けたのは、蒼衣が久々にゆっくり出来る休日を満喫していた時だ。
なんでも、夏木夢見子の断章、『グランギニョルの索引ひき』が発動したのだという。
せっかくの休日もこれでチャラだ。
その後、蒼衣は雪乃と合流してからロッジに向かう事になり、待ち合わせの場所に向かった。のだが…、
「雪乃さん、…………私服?」
雪乃は私服を着ていた。
それも、いつものゴシックロリータ調の服ではなく、普通の女子高生が着ているような――……。
「…………だから、何?」
明らかに不機嫌そうだ。
しかし、私服姿を見られたのが恥ずかしいのか、少し顔を赤らめている。