□あなたという存在
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「待たせてごめん、雪乃さん。……あれ?」


それはとある休日の出来事。



その日は休日という事で、ロッジには顔を出さなくていいと言われていた。

ほんの30分前までは。


神狩屋から連絡を受けたのは、蒼衣が久々にゆっくり出来る休日を満喫していた時だ。

なんでも、夏木夢見子の断章、『グランギニョルの索引ひき』が発動したのだという。

せっかくの休日もこれでチャラだ。

その後、蒼衣は雪乃と合流してからロッジに向かう事になり、待ち合わせの場所に向かった。のだが…、


「雪乃さん、…………私服?」


雪乃は私服を着ていた。

それも、いつものゴシックロリータ調の服ではなく、普通の女子高生が着ているような――……。


「…………だから、何?」


明らかに不機嫌そうだ。

しかし、私服姿を見られたのが恥ずかしいのか、少し顔を赤らめている。
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