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□微笑んだ悪魔
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それはとある授業中の出来事。
「キミはいつもいつも邪魔ばっかりして。キミがここにいられるのは誰のおかげだと思っているんだ!」
「クォルファ先生とばーちゃん先生のおかげだよ!アーシェス先生は関係ないじゃんか!」
アーシェスとルーウィンが言い合う様子を周囲の生徒たちはハラハラと見守る。
ちなみに授業中というのは剣術の部の授業である。
間違ってもアーシェスや晴れて魔術の部の生徒になったルーウィンがいるべき場所ではない。
「これ以上ボクとクォルファの逢い引きを邪魔するようなら容赦しないよ」
「望むところだ!」
いい加減にしてくれ、というのが周囲の生徒たちの意見だった。
というのも、最早この光景は日常茶飯事になりつつある。
こうして何度授業が潰された事か。
「いい加減にしろ!」
皆の意見を代弁するかのようにクォルファは叫んだ。
「お前らは何故いつもいつも喧嘩ばっかりしてるんだ!」
最もな意見ではある。あるのだが…、
突っ込む所が違うっ!
そう、彼は天然なのだった。
二人の喧嘩の原因が自分にある事を理解していなかった。
ああ、もうほんといい加減にしてくれ…ι