仮
□終わり、そして始まる物語
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※喪失最終話後、空目の辿り着いた先は断章の世界でした。的ななんかもうむちゃくちゃな設定。
そんなの全然OKさ!っていう方のみ閲覧ください。
***
それは、とある泡禍に出くわした時の出来事。
いつものように雪乃の断章で事なきを得たのはいいものの、異形に襲われていた少年の処遇について検討する為、その少年をロッジに連れて行く事になった。
異形に襲われたせいか、気を失っているその少年を運ぶのは、当然ながら男である蒼衣の役目。
とは言っても蒼衣はそれほど力のある方ではないし、おそらく15、6の少年を運ぶのは流石に厳しいかと思っていた蒼衣は、少年を背負った瞬間、思わず口にしていた。
「軽っ!!」
まあ、見た目からも軽そうだとは思っていたが、さすがにこれほどだと逆に心配になってくる。
背負った体制では、顔がすぐそばに来る為、今までさほど気にしていなかったその容姿に目を奪われた。
男にしては少し長めの艶やかな黒髪。
雪のように白い肌。
長い睫。
意識した瞬間、顔が赤くなるのを感じた。
そのせいで、道中、雪乃が不機嫌だったのは余談である。