□今はまだ、だからもう少しだけ
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俺と空目との付き合いは長い。

ただの幼なじみだったはずが、いつの間にか恋人同士と呼ばれる関係になっていた。

とはいえ、未だにキスまでしかした事はないし、それさえもただ触れ合うだけのもので、お遊び程度だ。

俺だってその先がしたくないわけじゃない。

というより、いつも必死で我慢しているぐらいなのだ。

空目はいつも無意識に色気を振りまいたりするからそれはもう大変だったりする。

誰か俺の忍耐力を称えて欲しい。

いやいや、今はそんな事を言っている場合じゃない。

今まさに、その忍耐力が砕かれそうになっているのだから。



「どうした?」

「いや…。悪い、さっき言ってたの、よく聞こえなかったんだけど…」

「だから俺を抱いてくれと言ったんだ」


嗚呼、聞き違いではなかった。


「お前、何言ってるか分かってんのか?」

「分かっているから言っているんだ。俺はもう逃げないから、遠慮はするな。したいならすればいい」

「お前…」


気付いていたのか。

俺のこの疚しい気持ちを。


「本当にいいんだな?」


言いながら、ゆっくりと空目の身体を押し倒す。


「ああ」

「どうなってもしらねぇぞ」
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