桜駅文庫(戯曲)

□Lim〜xが限りなく∞に近づくとき〜
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チャイム音。掃除の音楽。下手より、翔姫、みく、まりも、みつば、お掃除用具を持って登場。

翔 姫)やっと1日が終わったー。長かったなぁ。
まりも)そうだね。
み く)まだ先生来ないよね・・・?いいこと思いついちゃった♪聞いて、聞いて!
翔 姫)何?
み く)みんなでさ、隠れてみない?先生、どんな反応するかな?
翔 姫)おもしろそう!やろう、やろう!いつも先生にいじめられてばっかりなんだもん。たまには仕返ししなきゃね!ほら、みつばも聞いてた?今の話。
みつば)・・ぇえ?何が?
翔 姫)何がじゃないの!隠れるんだよ!
 優 )ちゃんと掃除してるかー?(上手より登場)
み・翔)あーぁ・・・来ちゃった・・・。
 優 )なんだよ、来ちゃったって。
み く)だって・・・ねぇ、翔姫・・・
翔 姫)ねぇ、まりも・・・
まりも)ねぇ、優先生・・・
 優 )なんで俺にふるかなぁ・・・?変な人達。とにかくさっさと掃除してよ。
翔 姫)もう終わりましたよ。
 優 )本当に?
翔 姫)ちゃんとやりましたー!
 優 )あーそうですかー。じゃあ、いいよ、そろそろ。ね、お疲れ様。
翔 姫)よしっ!じゃ、帰りまーす!みくとまりもはもう帰る?
み く)帰る!帰ろう、まりも。
まりも)はーい。みつばは?
みつば)ちょっと勉強してから帰る。
 優 )さすが青井さん。お前らもちょっとは見習えよな。
み く)家でやります。
 優 )へぇー。じゃあ、頑張ってね、青井さん。(上手にはける)
翔 姫)頑張ってね、みつば。
みつば)うん、ありがと。

 翔姫、まりも、みく、下手にはける。しばらくして、上手より祝登場。

祝 )頑張ってるね。
みつば)あっ、祝先生・・・
 祝 )何してるの?
みつば)二次関数です。ちょっと難しいところがあって、教えてもらえませんか?
 祝 )どれ?
みつば)ここなんですけど・・・
 祝 )あぁ・・・これは、判別式はわかる?bの二乗ひく、4acってやつ。
みつば)はい。
 祝 )すべての実数だから、判別式は0より小さくなきゃいけないから、ここにこうなっていくの、大丈夫だよね?
みつば)はい・・・あ、わかりました!ここでこうですよね。
 祝 )そうそう。あ、できるじゃないか。・・・そう、それが正解。
みつば)やったー!
 祝 )その感覚を忘れないでね。
みつば)はい!・・・不安なんです・・・私・・・
 祝 )そうだね・・・でも、やるだけのことはやったんだろう?
みつば)はい・・・
 祝 )だったら、そんなに不安がる必要はないさ。自分を信じてやっていけばいいだけだから。落ち着いていれば大丈夫だよ。
みつば)・・・
 祝 )まぁ、優は色々言うけれど、すべては君達のためだ。本当はとても優しいやつなんだよ。私が唯一誇れる人間だ。
 優 )あれ、青井さんいたんだ。(上手より登場)
 祝 )あぁ、勉強してたぞ。
 優 )お、さすが。
みつば)はは・・・。先生、ありがとうございました。今日はもう帰ります。
 祝 )いいえ。またわからなかったらおいで。
みつば)はい。さようなら。
優・祝)さようなら。

 みつば、上手にはける。

祝 )青井さん、結構不安そうにしてたな。大丈夫だろうか。
優 )彼女は大丈夫です。
祝 )ずいぶん自信ありげに言うな。根拠はなんだ?
優 )・・・青井さんに限らず、まりもさんやみくさん、山手たちの中に秘められている無限の可能性です。彼女たちの中に秘められた力は収束しない。正の方向へと発散されていく・・・それこそ無限大だ。収束するのは、もっと先のお話です。・・・そう思いませんか?
祝 )そうか・・・そうだな。お前はそこまで生徒達を信じているんだな。やっぱり、俺の弟だ。お前のこと、誇りに思うよ。
優 )ありがとう、兄さん。俺もずっと、兄さんを尊敬してる。兄としても、教師としても。彼女たちは絶対に合格できる。だから兄さんも応援してくれ。
祝 )もちろんだ。

 暗転。
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