StoryV

□SSS←3
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何の役にも立たない只の紙、気休め。
金さえ払えばこの手にだって入ってしまう。
この手に、だって。
そう、血に染めたこの手にも、例え嘘つきの彼の手にも。
下らない赦しと、下らない安心。
どこかで信じてなどいない癖に、救われた様にふるまう。
馬鹿げている。

けれど、私もこの身をさし出しそれを乞おう。
彼との間柄が罪に問われてしまうのならば。
下らない罪には下らない赦しが丁度良い。
何故それを罪と問われるのかわからなければ、何故それで赦されるのかわからないもので結構だろう。

さぁ、免罪符をこの手に。
彼との交わいの後には、そっとその表面にキスを落とそう。

fin


後書き

ホントの免罪符ってどんなんなんだろう……。


write2007/5/25
up2007/6/2
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