Story]

□Lie-n.
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嘘なんです。
全部、全部、嘘でした。
貴方が好きだなんて、貴方といたいなんて、全て口からでまかせです。だからその手を放してください。でないと、貴方も今 ぬことになりますよ。
楽しかったでしょう。幸せだったでしょう。良かったです、満足してましたよね。
さ。
これが仕上げです。僕からの、最後の、施しを、無下にしないで。
……邪険にしないで下さい。
ほら、その震えが表してる。僕がもう貴方と相容れないと、解っている癖に。
抑えて我慢してますよね。馬鹿みたいだ。本当に純な人、嘘だと親切に言ってあげているのに。
どうしてそんな所だけ信じてくれないんですか。もう。止めてください。
強情は命取りになりますよ?
ねぇ、いいですか。聞こえてますか。僕の声を、僕の言葉を、僕の話を聞いてください。
僕はもう貴方とイられない。
このままだと、貴方は今すぐに にます。だから、放してください。
っは、は。 にたいなんて言っちゃ駄目ですよ。思ってもないくせに。僕は手を出しません。無駄です。今日はさよならしか予定にないんです。
でも、希望はもっと無駄です。そんな可愛い泣き顔もお願いも、僕にはどうにも出来ません。
あ!
ああもう。グズグズしてるからほら、そんな風に。痛いでしょう?大丈夫ですか?
僕の心配なんて、なんて可笑しなこと。
そんなことしてるから撃たれるんだ。
ほら、逃げ道をあげます。僕が怒られてあげます。貴方を逃がしてあげます。急いで這って行けばいい。僕を振り向いちゃ駄目ですよ。
もうこの辺りに、貴方の味方はいないんです。
何してるんですか、さぁどうぞ。僕はいきません。貴方一人で逃げ帰ればいい。急いで。
こんな時に なないでくださいね。このままなんて、騙してた僕が、気分が悪いじゃないですか。さぁもう帰ってください。
大丈夫。貴方が敵でいるかぎり、いつかまた相見えることもあるでしょうから。だから今はバイバイしてください。

いつか、僕が貴方を します。

二人だけ。
二人の間にだけ、何もなかった事にしましょう。
貴方と僕には何もない。
ここからだって、今までと同じ。
それなら哀しくなんてない。
ただ少し違うだけ。
新しく世界が壁となり隔たるだけ。
ほんの、ほんの少しの違いですよ、ね?
だからさあバイバイして。
もう嘘は吐きません。
さようなら。
さようならです。
泣かないで、ごねないで、大人でしょう。
嘘吐いてごめんなさい。
騙してごめんなさい。
僕。
また逢える時を、楽しみにしています。
もう嘘は吐きません。
また逢える。
僕達はまた逢える。
楽しみですね。
その時には、僕は貴方を、貴方は僕を。

 して。

(全てを失くして、また笑いましょう)

fin


後書き

アレンが裏切り者。
な微パラレル。
タイトルは「ライン」と読んでください。
アレクロでさよならは、絶対にアレンがこじらせると思う。
言葉が悲しみを形作るのに。優しさは徒花。美しいだけの虚構。
馬鹿だね。酷く、馬鹿だね。


write2010/4/6
up2010/4/6
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