Other's storyU

□CLOCK*LUCK
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可愛らしいその仕種に、正直に可愛い、と告げれば、彼女はびっくりして目を見開いて、オレを見ながらかぁあ、と急に顔を赤くした。
凄い変化。妙な感心をしつつ、クスリと笑いを零せば、彼女があ、と口を動かして嫌だわ、と呟く。からかったのね。もう。ラビ君の意地悪。拗ねた口調もまた可愛い。
冗談なんか言ってないさ。ミランダ、可愛い。追い撃ちをかけるようにそう言ってみると、今まではこちらをメッ、と上目遣いに見上げていた潤んだ瞳が、戸惑うように辺りをさ迷い始めた。クック……。可愛さに笑いが込み上げて来る。何て愛らしい反応。初な彼女は、困り果ててその眉毛と口をヘの字に曲げる。
うん、似合っていた。困る仕種が似合いすぎる彼女に、ミランダ?と呼び掛けてみる。ななな、何かしらっ。そうそう。最初の頃よりは段違いに収まった彼女の吃りは、今でも酷く緊張した時には振り返してしまう。吃ってる。指摘すると、そそ、そんな事っ、無いわっ。と彼女が吃りながら否定する。
隣、行ってもい?ふいに提案すると、びくんと彼女の肩が跳ねて、小さく小さく震え始めた。は、はい。何故か敬語で返ってきた返事に、そ、と軽く答えて席を立つ。彼女の肩が、俺の一挙一動にぴくんぴくんと小さく跳ねる。
可愛すぎ。流石に側まで来たので笑いは堪えつつ、よっこいしょ、と彼女にぶつかるようにして隣に掛けた。
ひぃぃい!?ざっと彼女の体が遠ざかる。吹き出しそうになって、思わず口を押さえた。どしたんさ?何食わぬ顔で聞いてみた。
いっ、いえ!?何でもないの!ちょっちょっちょっと動きたくなっただけだから!!下手な言い訳をする声はふるふると裏返っていた。そう?そう!!短く聞けば短い返事。じゃもう戻って来るといいさ。手をこまねいてみる。
彼女の体が凍りつく。それとも、ホントはオレの事、イヤ?ぷるぷると髪を振り乱しながら彼女が頭を横に振った。
じゃ、戻って戻って。にっこり笑いかければ漸く意を決した表情で彼女がオレの横に戻ってきた。オレはニコニコとこっちを見ようとしない彼女を見詰めてあげる。髪、乱れてる。頭も撫でてみる。
彼女は息を止めたまま、オレの方を見ないで言う。
「ひ、酷いわラビ君。私の事、子供扱いして」
「してないさー。可愛いから気になるだけ」
「……ラビ君、子供なのね!」
「うんそうさ。だからミランダ優しくして?ほら」
「な、何?」
振り向いた口唇にキス。
ああ、きゃあ、と声を上げる彼女の、何て可愛いこと!

fin


後書き

ラビ今すぐ体育館裏に来い(^q^)


write2010/4/30
up2010/4/30

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