Story U

□ぷれい・うぃず・あす
1ページ/1ページ

「酔う、吸血鬼のおっさん」
「ヒヒ!ヒヒ!よう!」
又こいつらか。
「何だ、ノア」
何度蹴散らしても三日も経てば顔を見せる。
今となっては噛み殺したい以上に面倒臭くて係わりたくない。
「今日僕ら暇なの」
「遊べ!」
ヒヒ、と金髪が甲高く笑う。
黒髪の方はニヤニヤと私を見ていた。
「巫山戯るな」
にじり寄ってくる双子を団服(コート)で牽制しながら早足で歩き出す。
「待てよ」
後ろから双子が付いて来た。
―――無視だ。
そう思っても、イノセンスに因る衝動と二匹のしつこさに段々苛々し始める。
「おっさん遊べよ」
「煩い」
「遊べ!ジャスデビと遊べ!」
「黙れ」
「「…おっさんのバァーカ」」
プツ、と緒が切れた。
「もう我慢ならん、そんなに噛み殺して欲しければそうしてやるわ!」
おっさんがキレたー―!!と二匹は楽しそうに笑って銃を構える。
嗚呼、人を子馬鹿にし腐って、頭に来るガキ共め。

結局、その日は一日中二匹と戦っ(ジャレ)て過ぎた。

「あ、ヤベ、もう夕飯だ。帰ろーぜジャスデロ」
「今日は伯爵のビーフシチューだ、ヒヒ!楽しみッ」
じゃーなおっさん、又来る!と二匹が笑う。
「もう来るな馬鹿共が!」
私は声を荒げて、去っていく双子に返した。
「全く…」
可笑しな奴らめ。
私はぐったりとしながら笑って、ぐ、と背を伸ばした。

fin


後書き

確かジャスデビ編序盤で書いた…かな?
発(動時)様とは喧嘩友達、通(常時)様とは悪戯友達とか。
普通に仲良さそう。


write2006冬
up2007/3/19

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ