Story U

□So you shout.
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ただ、そこは、Clearな世界


《So you shout.》


嗚呼美しい焼け野原。

思わず詩人になっちまう位にがらんどうで何も無い世界に、俺はうっとりとした。
すこぶる、機嫌が良い。
千年公も、俺も。
千年公のは簡単だ、只シナリオがすべて上々の結果になったから。
現に、さっきから側でロードがレロに悪戯しまくっててもニコニコ眺めてる。
いつもなら此処にはジャスデビが加わってるけど、シナリオと違って生憎ノアで残ったのは俺とロードだけだった。
他の奴らは全員死んだ。まぁ、千年公はロードさえ居りゃ良かったんだろうけどね。(奏者でなけりゃ、最悪居なくても構わないだろうし)
で、俺の機嫌が無茶苦茶良いのは…。
「ティ〜ッキーぃ、未だ放っとくのぉ?」
「ああ、もうちょい見とく」
「意地悪ですネvV早くしないと自殺しちゃいますヨvV」
「大丈夫っすよ、あれで結構強いんで」
…終幕を迎えた世界の地べたに、たった一人這いつくばって泣き喚いているダンナが見えるから。

真っさらに、真っさらにクリアされた世界に、一人だけうずくまって泣くダンナ。

その泣き顔が滅っ茶苦茶キレーでゾクゾクする。

箱舟の窓からダンナを眺めていると、レロを携えたロードが寄って来た。
さっきから泣き続けているダンナを一瞥して、ふうんと鼻を鳴らす。
「あれさぁ、エクソシストだったでしょオ?
皆殺ししなくて良いのォ、千年公」
「今は只の人間」
「一匹位ペットも良いかと思いましテvV」
「ふぅぅん…。
ねぇティッキー、僕にあれちょうだぁい?」
「ダーメ。
あれだけは俺の」
「ティッキーのケーチ。
ねぇ千年公〜ティッキーが虐める〜」
「おやおや仕方ない子ですネvV
ティキぽん、貸してあげなさイvV」
「嫌ですよ…」
これだけは。
はぁ、と嘆息して妄想を膨らませる。

きっと、あの泣き顔は迎えに来た俺を見て瞬時に憎悪と憤怒に染まるんだろう。

そしてその後、イノセンスを失った自分の脆弱さに悲嘆するんだ。

そうしたら、俺がその弱った心と体に絶対的服従と快楽を仕込んでやる。

(その為に、俺は必死で生き残ってシナリオをこなしたんだから。)

「じゃ、ちょっくら迎えに行ってきます」
「はい、行ってらっしゃイvV」
「行ってらっしゃぁい」
正装して、髪を整えて。
にっこりステキスマイルも完璧だ。

さて、可愛い可愛いアレイスター。
Clearな世界を俺で染めてあげましょう。


fin


後書き

はい暗ーい。
す、すみませんorz
ちゃんと生き残ってるのは千年公とロード、ティキ、クロちゃんだけとかいう(笑)
これ続編とか面白そうですね。

write2007/3/24
up2007/3/25

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