StoryV

□さぁShow timeさ!
1ページ/2ページ

ユウがあそこを出てから五日。

俺が……てから二日。(深くは聞かないでくれさ…)

任務に出てから一時間。

街に着いたのがついさっき。

なのになんで、こんな仕打ちを受けてるんさ……!?


「ラビ、あっちの店が見たいである!」
「ああ、あそこなら僕の行きつけですよ。
割引券持ってますから使いますか?」
「じゃあ私たちも買い物しましょうよ、ミランダ」
「うふ、そうですね」

六人という大所帯で街を進んでいると、好奇心で目を輝かせたクロちゃんが指を指して皆を率いていく。
ああ、皆の会話、むっちゃ微笑ましいさぁ。
オレもその後に続きながら、くすりと微笑んで扉をくぐった。
今日は天気も良いし、任務も難しくないし、絶好の買い物日和さねぇ。

「じゃあラビ、好きな鞭を選んでいいであるよvV」

大量の拘束具と責め具や怪しいボトルの並ぶこういう店じゃなきゃ……!
原色と革の匂いに囲まれた店内には、マッチョの店員が一人きり。
それもまたアレンやクロちゃんの様子を見ると只の人間で、アクマとも何の関係も無いみたいだ。
だいたい、この街に入ってまだ一度もアクマなんて遭遇していない。
っていうか何でアクマ調査の為だけに(いや大事さ?!大事な任務だけど!)数少ないエクソシストが六人も出てきてんの!?

「コムイさんからお小遣沢山貰いましたから、どれでも構いませんよ」

あ、ソウデシタ。
オレはバラ鞭片手にニッコリ笑ったアレンを見て思い出した。
うん、そうでしたそうでした、科学班もこいつら悪の手に染まってたんでした。
ついでにリーバーが手先の証、黒の字を背負ってました。

「ラビ?どうかしたんであるか?早く選ぶである。」
「そうですよ、ほら神田を見習って」

ああ、クロちゃん、そんなまばゆい笑顔でそのゴツイ…(言うまい)。
……初代魔王様が俺の後ろを指差してた。
ちらりと振り返ると、リナリーとミランダの背後に立ったユウがフリル塗れのゴスロリ服(コメント出来ねぇって)のまま無表情で立っている。
きゃいきゃいとものを見ている二人の後ろ、微動だにしない。
と、おもむろにリナリーが振り返った。

「神田、どのアナ「うわぁぁ!!」が良いの?」
「あれが良いです御主人様」
「まぁ、神田君に似合いそうね」
「ありがとうございます御主人様」

ああ、今は遠きあの日のユウ。
アレンが何叫んでるんですか、って言いたげな目線を寄越したけど、16才セーレンケッパクな(例えそれが元でも!)少女がア、アナ……(オレには言えねぇ、言えねぇさ…!)っ、とにかくそんな卑猥な言葉を平然と言うのは認めねぇさぁっ…!!

「あ、ラビもアナルパールの方が良いんであるか?」
「なんだラビ、それならそうと最初から言えば良いじゃないですか」

いや、例え成人してても少年でも口にしていい訳じゃなく!(ってか寧ろクロちゃんには一生言ってほしくなかったさ…)
ああお願いしますそんなにシャツでも買うみたいに和やかな…。

「やっぱり赤か紫がいやらしくて良いであるかな?」
「あ、神田は黒みたいですよ」
「じゃあお揃いで赤にするである」

訂正、恐ろしい会話をしないでください。

「ク、クロちゃ…「あ」

俺が決死の覚悟で懇願しようとした刹那、後ろから聞き覚えのある少女の声が聞こえた。
この声は…!!

「ノア!」


  
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ