Other's story

□森闇
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「長官」
色気の無い呼び名は味気の無い行為に相応しい温度で耳に届く。
短い前髪をピシリと指で弾く。
何時であろうと露わな顔は、また何時もの如く固く。
そのきちりと編まれた髪も、たわみ無く。
「何かね」
遺憾なき平常が声を発する。
冷静沈着ではなく。
無味乾燥。
泰然自若でもなく。
無念無想。
「……!」
息を詰める無声の揺らぎさえ余りに異質。
「さあ」
勧められるが侭に触れるのは。
進められるが継に振れるのは。



「     あ     」



湿り気を忘れた蜜。


fin


後書き

短っ


write2008/6/21
up2008/6/22

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