Other's story

□世界は終わり、
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「何だ、又ノアか」
「冷たいね…何してんの?」
「見ての通り、邪魔なものを片付けただけだ」
私は手にしていたガラクタを離し、埃を払った。
「あーあ…折角2まで育ってたのに」
「私を狙ったのが悪い」
「ひでェな」
男はそういう癖に、どうでも良いようなそぶりでこちらへ歩いてくる。
「まだ、ムコウにはついてないんだ?」
私は小さく首肯した。

私がこのティキと名乗る男と知り合ったのは、二年前の事だ。
訳のわからない「モノ」に襲われることが多くなった頃。
幾匹かの黒蝶を纏い、私の首を射留めた。
そして、私を。

「私は、どちらにつく気も無い」
「だったな」
男は変化を解いた私の顎を取ると、上を向けて口を付けた。
深く、奪うように濃密な。
口の端を唾が流れていく。舌が、私の歯の裏をなぞる。
舌の先を絡めとられ、ちゅっと強く吸われた。
「…お前を、許す気も無い」
長い接吻の後、吐き捨てれば薄く笑う。
「もう痛くは無いんだろ?」
下劣な事を、奴が言う。

エクソシスト、ノア、アクマ。
訳のわからない言語が、私に被さった体から発せられた。
殴り付けた手は突き抜けるのに、私を貫くソレは中で存在を主張している。
流れた血で、背中がぬるついていた。

「巻き込むな」
胸を掴んだ腕に手をかけた。
もう一度、キスをされる。
腰を抱き寄せられ、ズボンがズレた。
「私は、どちらにつく気も無い」

男は泣く私に言った。
“お前は敵なんだ”と。
私は痛みに塗れたまま、その言葉をぼんやりと聞いていた。

揺さ振られる体に、性感が走る。
高く上げられた足には、先刻壊したガラクタの破片が付いていた。
「世界の終わり、怖くねェの?」
乱暴に交わいながら聞く。
「こっち的にはやりやすいけどな」
押し殺した笑いが震えた。
「お前、すぐに死ぬぜ」
右耳のピアスが、ちらりと光った。

世界の、終わり。
そんなものとうに過ぎてしまっている。
私は“敵”でも“味方”でも“知らぬ者”でもないのだ。
この、ガラクタと同じ。
只、ここにあるだけ。

fin


後書き

レイプ犯とお人形。
交互にレイプ当時と今が入れ代わってるんで、読みにくいかと思いますが………。
てかこれ夢でなくても(爆)
まぁとりあえず頑張りますた。んん。


write2007/7/7
up2007/7/11

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