Other's story
□嘘吐き部屋。
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「こんな関係、間違ってます」
アレンは少し首を傾げた。
ラビは手の平で開いた本からちらりと視線を上げ、フッと薄く笑い又俯く。
漸くその髪を結い上げた神田が、パキリと首を鳴らした。
「関係ねェだろ」
お前には、と神田が部屋を出る。
その首筋には薄く桜の花びらのような痕が散って。
アレンは、ベッドの上からしばし開け放たれたままのドアを睨み付け、又膝を抱えて間違ってます、と呟いた。
「アレン」
ぱたんと本を閉じ、ラビが立つ。
ドアを閉め近付かれれば、アレンは顔を上げた。
「間違ってるかどうかは、オレとユウの問題さ」
ラビは、アレンの額に軽い頭突きをし、また椅子に戻る。
分厚い本は、先程と同じページを開かれた。
アレンがそれを見て、何も言えなくなるのを知っているように。
「…僕、帰ります」
アレンが、先程閉められたばかりのドアを開けた。
ラビはそれを見送り、閉められたドアを静かに見つめる。
「…オレとユウの問題さ」
手の平の本が、小さく震えていた。
fin
後書き
ラ、ラビユなんだろうか…
write2007/9/26
up2007/9/26