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□お カ し キ ち ・。*゚。
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ある日部屋に帰ると、そこには一枚の招待状が置かれていました。

《 お カ し キ ち ・。*゚。》

何の変哲もない……少なくとも、今までとはそう変わりのない一日を終え部屋に帰れば、そこには変化が一つ起きていました。
「……?」
ベッドの上に封筒が置かれていたのです。
手に取ってみれば、それには完璧に整った美しい文字で、アレイスターの名前がありました。
しかし裏に名前は書かれていません。何度か裏と表を返して眺めてみます。
白地に淡いオレンジ色の小花が飛んだ可愛らしい封筒。ペンのインクはブルーブラック。封はされていないようです。
中に入れられたカードには、同じ筆跡で短く『招待状 食堂を真っ直ぐ明かり十個分,右の隙間』と書かれていました。
「……」
かさ、とアレイスターはそのカードを閉じました。
かさかさ、閉じたカードを封筒に戻します。
かさ…………、再度開かないよう口を両手で押さえたまま、可愛らしいオレンジをしばし眺めて。
そしてそれを着替えと一緒にまとめるとそっと仕舞い込み、何も乗っていないベッドにしっかりと潜り込んで、直ぐに健やかな寝息をたてはじめたのでした。



 
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