Story\

□ドギヰ
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手の平が焼けるように熱く、私の脇腹をまさぐった。笑う暇さえないほどの性急さで暴かれた私の貧相な体に、むしゃぶりつくように彼の舌が這う。ぬめり尖るその尖端は、冷たい空気にさらされる先程まで散々にいたぶられた私の乳首に接触した。
冷たく糸を引く唾液が膨れ上がった器官に垂れ、その刹那柔らかい口腔がまとわる。思わず漏れた声は裏返り、その甲高さに背筋が粟立つ。その間も私の突起を含み続ける熱の篭った口腔は、固い門歯で皮膚を掻き乱し、二つの口唇で感覚を惑わせた。
「っふ……、んぅ、ぅ、ひぁ……んっ、ぃっあ……!!」
漏らすまいとしても溢れる媚態に、口の脇から唾液が零れる。ほんの戯れのような前戯にさえ汚らしく乱れゆく自分に、どんなに嫌気がさそうが、既に下衣の中でとろとろと液体を零し始める屹立があることは事実だった。

いっそのこと、

と、私は思う。
「変態」と罵れば良い。醜く喘ぐ私の下肢に手を這わせながら、その拡がった排泄器官に猛りながら、私を哂い犯し尽くせば良いと。
いつの間にか剥がされた下着が口の中に押し込められる。蒸れ上がり発情した愚かな臭い。息を詰まらせながら、緩んだ歯列から嬌声を放つ。
勝手に解れた淫らな場所を、嘲笑うかのように指が踊る。
私は叫ぶ。喚く。ねだるような声を出しながら、その醜悪さに絶句する。そしてまた、その事実に身を焦がし、腰を浮かせて彼の手を促す。
柔らかく揉み砕くように私の陰嚢が彼の熱く濡れた手の平に包まれる。直接的ではない緩やかで且つ生物的危険を覚える愛撫に私の腰はうねり内臓はひくつく。ぺちゃぬちゃと耳障りな音がし、自ら下拵えを施した粘膜に再度指が入り込む。飛び込んだ獲物を奥へと飲み込もうと蠕めく襞。その一つ一つをまさぐりながら、爪が指紋が関節が私の内臓を堕落させる。
その感覚に、呻く。私は懇願しながら腰を揺らし、彼の馴れた怒張を求める。
ぶるりと顔に飛び散る液体に喜色を覚えて、差し出された杭に舌を這わせる。濃いアンモニア臭と蒸れたゴミの香り。それでも頬は緩み、赤黒い表皮に浮かぶ血管の全てを万遍なく舐め上げる。
張り詰めた括れも、震える鈴口も、その下部に続く毛に隠れた膨らみも。彼が私の二つの突起にしたように、丹念に舐めかじり扱き清める。
そうして、宛がわれ。

彼が私を罵ることは決してない。
私は及ぶ行為のおぞましさに吐き気を覚えながら貪欲に快楽に溺れ彼を求める。
私は愚かだ。
私はその醜さに、今日も跳ねる躯に呪詛を贈る。

fin


後書き

エロスのれんしうをしようと思ったら……長くなりました。エロくないし。


write2009/11/20
up2009/11/21

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