Story
□薔薇と薔薇、薔薇の花
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「では、行ってくるである」
首のボタンとファスナーを確かめながら、マント仕立ての団服(コート)を靡かせて彼はラビににこりと微笑んだ。
「行ってらっしゃい」
ひらひらと手を振りながら、少年は彼を見送る。
彼の姿が廊下の端に消えた頃、少年はよし、と歩き出した。
「いっちょ、追ってみるかねー」
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