StoryY

□SSS←7
2ページ/10ページ

※クロ(瓜)×クロ(酢)で現代で眼鏡×眼鏡でヘタレ×女王様というカオス



「……」
抜き足で、後ろから、隙を狙って、お目当ては。
「……」
彼の口唇。
「……っんぶ!」
「馬鹿が」
顎を強かに殴られ、クロウリーは屈み込んだ。思わず顔を手で覆い、ズレた眼鏡に気付いてかけ直す。
「俺の眼鏡は伊達だと何回言えば解るんだ、お前は」
風呂上がりのNO眼鏡タイムを狙った奇襲。それが効くのはクロウリーだけだ。
あ、と小さく声を上げた恋人をソファの上から見下ろし、クロスは来い、と指を動かした。
「……指紋が付いてる」
自分が買わせたフレームを摘み、奪い去る。口に近付けて口を開きその赤い舌でレンズを―――いや、息を吹きかけ、裾で拭った、だけ。
クロウリーはぼんやりと薄いヴェールを下ろしたような視界にそれを見ていた。
「……眼鏡を」
「まだだ」
「見えないである」
「……まだだ」
「クロスが見たい……」
撫で上げるようにその顎を取り、クロウリーが風呂上がりのややかさついた口唇に口を重ねる。
重ね合わせるだけかと思えば、おどおどと舌が歯を割ろうと這わされた。
クロスの口が緩く開く。
クロウリーはその熱い口腔をまさぐるように舌を蠢めかし、ざらつく舌の表面を絡ませた。
くちゅ、じゅく、ちゅぷ。
蒸れ始める肌と肌、服の隙間。
長い長い、口付けが終わる。
「……」
「見えたか?」
はぁ、と充足を知らせる息を聞き、クロスが口の端を上げ尋ねる。
うむ、と答えたクロウリーは、そっと眼鏡を持つクロスの手を握った。


fin


後書き


………すいませ!妄想してて萌えたら書きたくなったんだ!


write2008/4/21
up2008/4/21
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ