駄文

□This is Love(面あた)
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 蒸し暑い夏の夕暮れ時、放課後の暗くなった教室で、男達が顔を寄せ合って…ひっそり…怪談話をしていた。

 「次、俺の番な」
 コースケが口を開いた。
 「これは…俺の友達から聞いた話なんだけど…すっげーコワいからな」
 すかさず面堂が先をせかした。
 「勿体ぶらずにさっさと話せ」
 「そう急かすなよ」

 ゴクリ…。

 「友達のばあちゃんが亡くなって、半年くらいだったか…友達の枕元にばあちゃんが出てきたんだ」
 「えっ…!!マジで?」
 「や…夢だと思う、つってたけど…」
 「なんだよ〜」
 一斉に安堵の吐息が漏れる。

 「ばあちゃんは、友達にしきりに墓参りに来てくれって言うんだと。友達はさ、すっげーばあちゃんっ子だったから、ばあちゃんに会えて嬉しくて、コワいとかないのな。行くよっ必ず!って、約束したんだけど…」
 「したんだけど…?」
 「いきなり夢の中で自分は墓参りに行ってんの。すっげー雨風の強い中、傘さして…。で、行ってみたら…雨風にやられたのか、一部の墓と卒塔婆が倒れてて…慌ててそれらを起こしてる、つー夢だったんだよ」

 「卒塔婆ってなんだ?」
 「俺も知らねー」
 「卒塔婆知らねーのかよ?日本人の風上にも置けねーヤツらだな…。墓の脇に立てる塔の形をした木片のことを卒塔婆つーんだよ。よく見るだろ?…墓参り行ってるか、お前ら?」

 数秒あけて相槌をうちはじめるあたる達。

 「あー、あるな、あるある」
 「あれ、卒塔婆つーのか…」

 ふう〜ん…と頷く彼らを置いたまま、コースケは話を続けた。

 「朝起きてよく考えたら、自分は高校生だし、学校があるワケじゃんか。だから、気になった友達は、夢の話を母親にしたワケ」
 ふん、ふん…と全員が頷く。
 「で、そのまま学校行ったんだけど…」
 「行ったんだけど…?」
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