駄文

□夢の中だけでも…(コースケあたる)
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 「あっ…も…っ…と…」
 「…もっと…?もっと、どうして欲しいの?」
 俺を欲しがって揺れる淫らな身体。
 俺はワザと曖昧な強さで下肢を弄ぶ。
 「っ…意地が…悪いな…」
 潤んだ瞳が俺を睨みつけた。
 「そう…?」
 含み笑いを零して、濡れた先端を弄ってやった。
 「ふっ…っ」
 びくびく震えながら、俺にすがりついてくる可愛いヒト…。

 「もう、我慢出来ない?」
 そう言って、顔を覗き込むと、涙目になった彼が俺を睨み、視線を逸らした。
 「わかって…る…っクセに」
 身体を捩り、顔を隠すようにして俺から逃げる彼を強引に引き寄せ、そのまま唇を貪った。
  「んんン…っ…」
 ああ…たまんねー。

 もっと、もっと…。
 もっと欲しがって…。

 欲のままに唇を舌を絡めた。


 「…スケ」
 「ン…」
 「コースケ…」
 「んんっ…」
 「コースケ!」

 ハッと目を覚ますと、あたるが覗き込んでいた。
 「わ、わっ…」
 慌てて見回すと、そこは柔らかなベッドではなく、学校の屋上の硬いコンクリートの上だった。
 「…お前、よく寝てたな〜。何回呼んでも起きる気配がないから、ど〜しょうかと思ったぜ」
 そう言ってあたるは笑いながら俺を叩いた。

 思い出した…。午後は2人でエスケープしようと屋上に来たんだった…。
 「俺、何か言ってなかったか?」
 夢が夢なだけに、気になって聞いてみる。
 「?さあな〜……」
 そこまで言って、あたるは好奇心に目を光らせて聞いてきた。
 「何だ?さてはお前、スケベな夢でも見てたんだろ〜いやらしい奴だな」
 うはは…といやらしい笑い声を上げるあたるをジト目で見て、俺はあたるの首に腕を回し、軽く頭をどついてやった。
 「アホっお前じゃあるまいし…っ」


 …なんちゃって。ばっちり、しっかり見てましたとも。
 それも濃厚なエロ満載。
 目の前の友人にアレコレ不埒なことをして、自分の腕の中でそれはそれは、淫らに啼かせておりましたとも。

 …ちぇっ。これからがいいところだったのに…。起こしやがって…。
 罪なく笑うあたるに腹が立つ。

 ああ…この無垢な笑顔を、夢の中で見た…色づいて誘うようなエロい顔にしてやりたい…。
 ムラムラとざわめく心をぐっとこらえて、俺はあたるの首に回した腕を解いた。

 突然、背後から靴音が響く。
 「何だ貴様ら、ここにおったのか」
 振り向くと面堂が立っていた。
 相変わらず視線が怖い。

 「何じゃ、面堂。貴様もエスケープか?」
 優等生のお前にしては珍しいな、とあたるがからかうように聞く。
 「ふん。貴様らと僕を一緒にするな!ラムさんが探していたぞ、諸星…」
 「ラムが?」
 肩をすくめるあたるを見て、面堂が口元を緩める。


 は〜い、はい、はい、何だかんだ言って、あたるが気になって探してたのはお前の方だろ?
 最近の面堂は、俺のあたるへの邪な恋慕に気付いたのか、やたら抑制するように俺を睨んだり、話に割って入り込むから、わかりやすいったらわかりやすいんだが…嫉妬心が強くて時々あたるが気の毒に思う。
 ほら…また、睨んで…。
 だ〜か〜ら、何もしてないっての!
 やれやれ…。

 「おい、面堂が来たし、そろそろ教室に戻ろうぜ〜」
 俺が声をかけると
 「…悪い。コースケ、先に行っってくれ。」
 「へっ?」
 「面堂が…俺に何か話があるらしい」
 あたるが嫌そ〜な顔で言う。
 ははあ…面堂の思惑を察した俺は、いっそこのまま残って、邪魔してやろうか、と思いつつ…可哀想なあたる…面堂に×××なコトや××なコトされて啼かされなきゃいいけどな…と祈りながら、わかった。じゃあ、お先っ!と言って足早にその場を去った。

 くそっ…面堂のやつ…。

 過去に何度か、面堂に無体なコトされた(推測だが…)あたるを見ているが…それがまた、普段のあたると全然雰囲気が違ってて、ヤバいんだよなぁ…。
 ほんのり色づいた仕草というか…憂いを含んだ表情というか…。
 どうしたんだ?って聞いたら、何でも無いって返事するんだけど…その声が少し掠れてて…赤く腫れた目元と、伏せた睫の影が色っぽくて…。
 俺的には、色づいたあたるを見るのは万歳だが、それが面堂の手によって…っと思うと、嬉しくない。正直思い人にすら憎悪を感じてしまう…。
 本当に狡いよなぁ…。おいしいところ持ってっちまって。
 俺の方が、長い付き合いだというのに。
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