駄文

□歪みの中で…(面あた)
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 「おまえなんか…大嫌いだっ…」

 僕の腕の中できみが呟いた。


 あんまりきみが眩しいから…
 あんまりきみが挑発的なことばかりするから…


 懲らしめてやろうと、ほんの少し思った。



 なのに、ちょっと焦ったきみが、僕の隠していた心の闇をくすぐったんだ。

 「嫌だ…!離せ、やめろ…っ!!」

 抗うきみに昂奮した。

 何てったって
 何度も想像したきみの声と姿。
 ナマで体感出来るんだから…。

 きみが悪いんだよ?
 きみが僕を惑わせるから…。
 僕を誘惑した罪は重いんだから。

 ああ…きみの拒絶の声がたまらなく心地よい。

 もっと叫んで。

 もっと泣いて。

 もっと憎んで。

 もっと…僕を罵ればいい。


 そして…僕だけを見て。

 僕に捕らわれて。


 僕に陵辱されたいたましい身体を僕だけに捧げて。
 僕が刻んだ赤い痕で僕を誘って。

 きみの恥辱に歪んだ表情は
 僕の宝物。

 おいでよ…一緒に深みに嵌まろう。

 僕だけがきみを快楽に導いてやれる。

 僕だけがきみを傷つけることができる。
 僕だけが…。


 僕だけが……。





   END
 

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