駄文

□彼は無邪気な罪つくり(あたる総受け)
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 とある喫茶店にて…。

 「おい…。なんで俺が貴様と優雅に茶など飲まねばならんのだ!」
 「ふっ…。優雅という言葉が、およそ似つかわしくない貴様の口から出るとはな…」
 面堂はそれこそ嫌みな程優雅に、珈琲のカップをゆるりと口元に運んだ。

 けっ。わざわざ嫌みなヤツ…と、あたるが舌を出した。
 が、急に手を握られ固まってしまった。
 「諸星…」
 「わっ!なっなに考えてんだ気色悪いっ!手離せっ手っ!!」
 手を思いっきり引いた途端にパッと手を離され、反動で後ろにコケるあたる。

 「おま〜な〜っ…!!」
 起き上がるあたるに面堂のトドメの発言がコレだった。

 「単刀直入に聞こう。きみは…僕のことをどう思っている?」

 「え…」

 あたるは焦った。

 何を急に…。

 眉をひそめて黙っていると、痺れを切らした面堂が口を開いた。

 「きみは…何故僕に抱かれ…」
 「わーっ!!」
 「!?」
 突然大きな声を出すあたるに、今度は面堂が眉をひそめた。

 「おま…なに考えてんだっ!!」
 「なに…って…」
 「こんなとこでそんな話やめろよバカっ!!」
 バカと言われてムッとする面堂。

 「そんな話って失礼だな。僕は真剣だ」
 ひかない面堂にあたるは閉口した。


 なんで…って…。
 そんなの…いまさら聞いてくんなよな。

 口ごもっていたところに、いきなりコースケが現れた。
 「あれ?あたる?」
 咄嗟にあたるはコースケのところに走っていき、手を引き面堂の前に座らせた。

 「お、おいっ…!?」
 「じゃ、あとよろしく!」
 「あっ!!ちょっ…待てよ、あたるっ!?」
 すたたた…と走り去るあたるの後ろ姿を見ながら、コースケと面堂はため息をついた。


 
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