駄文
□誘う痕(テンあた パラレル)
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「なぁ、ソレ…どないしたん?」
テンは浴槽の中から顔を覗かして、身体を洗ってるあたるに問うた。
以前から気になっていたのだ。
あたるの肌のところどころに散らばる紅い痕…。
虫さされかと思っていたが、消えては現れ、減ったと思えば増える…。
おまけに湯を浴びて濡れた肌に浮かぶソレは、なんともいえない淫靡な雰囲気を醸し出していた。
顔をちょっと赤らめたあたるは、素っ気なく言い放った。
「…どうでもいいだろ。ガキは黙ってろ」
「ガキってなんやねん!」
「ガキはガキだろ?」
からかうように言われ、テンは無性に腹が立って仕方なかった。
わかっている。
わかっているのだ。
自分があたるよりも子供だってことは。
だけど…、いざこうやって年の差を見せつけるように口に出されると、残酷な現実を実感させられ、不意に泣きたくなってしまうのだった。
何故なら…自分は…目の前のオトコが好きだから…。
今日だって、急に会いたくなって地球に飛んできた。
何時までもここでお世話になってられまへん。
そう言って母親に連れられて星に帰ったものの…あたるとの賑やかな毎日が恋しくてたまらなかった。
ラムに会うという口実で、こうやって度々地球に訪れている。
小学生になり、おっきくなった自分を見て欲しかったのだ。