駄文

□奪われたハート(レイあた)
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 「ダー…リン?」

 ラムは恐る恐るあたるの顔を覗き込んだ。
 そして…絶句する。

 何故なら、瞳を潤ませ、顔を赤らめたあたるの視線の先にはレイ。

 「レイっ!!好きだああっ…!!」
 突如あたるがレイに飛びついた。

 突然のあたるからの抱擁に、レイは慌ててあたるを突き飛ばした。
 なおも抱きついてくるあたるに、レイが怯え、縋るようにラムを見る。
 狼狽えるラム。

 そんなまさか…。
 まさかあたるのハートをレイが食べてしまうなんて…。
 予定外の出来事に、ラムは動揺していた。

 「もぉっ!!相変わらずいやしいヤツだっちゃね〜!!ダーリン!レイから離れるっちゃ!!」
 ラムは一生懸命あたるをレイから引き剥がそうと試みるのだが、恋の力は無敵だ。
 あたるはレイに縋りついて離れようとしない。そればかりか、レイの頬に唇を押し付けようとするのだから、驚いたレイは牛に変身してしまった。

 「ぶぎーっ!」
 あたるの首を絞めるぶた牛…もといレイ。
 「こら!!レイっ!!うちのダーリンに何するっちゃ!」
 ラムの怒りの声に渋々手を離したレイだったが、離した途端、あたるにど突かれてしまった。

 「何すんじゃいっ!!」
 首を押さえ、涙目になって自分をバシバシど突くあたるに、レイはぶぎ?と首を傾げ、人間の姿に戻った。

 「レイっ好きだ!!」
 再びガバッと抱きつかれ、慌てて牛に変身した。

 「げっ…!!」
 あたるが飛び退く。

 人間の姿に戻る。
 「レイっ」
 抱きつかれる。

 牛になった。
 「うげっ!!」
 飛び退く。

 何回か繰り返して合点がいったレイは、牛のままラムに近寄った。
 「らむ…」

 怯えた顔であたると自分を交互に見るレイに、苦笑いを浮かべたラムは、「対策方法を調べてくるから、待ってるっちゃ!!」と言って、レイとあたるを置いたまま、飛んでいってしまった。

 「おい…、ラムいっちまったぞ!?おまえも帰れよ」
 あたるが邪魔だと手を振って帰るよう促した。

 レイはなんだかカチンときた。

 なんだよ…。
 さっきまでオレのこと好きだって、しがみついて離れなかったクセに…。

 レイはニヤリと笑い、人間の姿に戻った。
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