tacit understanding

□初代邂逅 Fourth Days
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side 虹村修造


しょうの生徒会の引継ぎも終わり、残すところあとわずかな中学生活

進路もほぼ決まり、各々勉強や面接練習をしている

それは今日とて例外ではない



「郁人、僕はこんな文法知らない…」



放課後の時間を使い、勉強会を開くことも多くなった

今は俺としょうが赤司に英語を教えてもらっている

しょうがぐでーと机に伏せれば、読んでいる本から顔を上げる



「ナニ?どこ?」



綺麗な赤い髪を耳に掛け、こちらに身を乗り出す



「これー」

「ああ、これか。…これはひとつ前の問題の応用だね。この動詞を使うんだよ。文の作り方は例文と同じ」

「―…あー、なるほど。理解した」

「ん。修造は大丈夫?」

「…おー、なんとか」

「あ、そこ間違ってる」

「え…どこだ?」

「問3。現在形じゃなくて、過去形」

「―…ほー」

「基礎はしっかり固めておいた方がいいよ」

「そう、だよな」

「I can't stay here forever.」

「―…は?」

「意味は自分で考えて。…本返してくる」



意味深な言葉を言い、席を立つ

しょうと顔を見合わせて



「今のわかったか?」

「この僕にわかると思うのか?」



まぁ、ゆっくり考えるか


――…そう思っても、この意味を知るのは早かったりする
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