小説置き場
□奇病
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___A!Kuは右目から桃色の花が咲く病気です。進行すると幻覚が見え始めます。花の蜜が薬になります。
* * *
私は奇病にかかってしまった。桃色の花が咲く病気。
それも、右目から
外見は美しいと思う。私の花は、まだ蕾だ。
「「**ちゃん」」
症状は、とても楽とはいえない。
毎日のように××くんが見えてにたにた笑う。
他にも、とらうまが、トラウマ。そう。
「...愛玖?」
「どうしたの」
病室の扉がいつのまにかあいていて、紫雲がこちらを覗いていた。
「いや、ぼーっとしてたから...」
「ちょっと...ね。」
紫雲にはバレないようにしている。もっとも、医者から聞いたのかもしれないけど。
「病気どう?」
「んー、普通?」
「普通ってなんだよw」
こうやって笑ってられる時間が凄く楽しい。
それから、他愛も無い話をして、すっかり日が暮れてしまった。
「じゃあそろそろバイトだし帰るわ。」
「はいよー」
「じゃあまたくるから。」
「うん。」
紫雲が荷物をまとめて去ろうとする。
その時、凄く右目があつくなる。
「またね愛玖。」
「...うん。」
紫雲が病室から出ていく。右眼があつくて、幻覚が、トラウマが。
「う...ぁ...」
『**ちゃん、ずっと一緒だよ』
「ぅ...」
やめて、ごめんなさい、ごめんなさい。
「**ちゃん」
見える幻覚は増えていく、狂ってしまうほどに、
ごめんなさい。
「ごめ..んな...さ」
息が苦しくなっていく、どんどん、どんどん。
もうわからなくなってくる。
近づいてくる。
「あいちゃん」
「あ、いやだ、ぁあ..うあああ」
「ごめんなさ、ごめ、なさ」
「ごめんなさい...」
__グチュッ
赤い地面に、桃色の花がさいた