小説置き場

□ピエロかくれんぼ
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side shian


「じゃあ、私いくから。」

そういって愛玖は立ち上がり私の肩をぽん、と叩いてどこかへ行ってしまった。

私は止める事も話をかけることも、なにもできずに困惑の表情を浮かべて彼女を見送っただけ。

愛玖がピエロ..?百万をかけたコロシアイゲーム..?なにがなんだか、..わからない。

愛玖が、ためらいもなく、殺したの?

「ひっ、ひところしですよぉ!」

制服を着たままのいかにも真面目そうな女の子が叫ぶ。

その顔は真っ青。それもそうだろう。

「だって...コロシアイゲームだし...」

ぼそっ、と呟けばヒッって隣で眼鏡の根暗そうな男が怯えた声を出す。

シーンと静まりかえる広場、中年男たちの死体が消えていく、血も。

そりゃそうか、ゲームだし...。

ゲーム、だからって..愛玖を殺せって?

...

....

.....

......


しばらく沈黙が続いていると、中心に立っている女が喋り出した。

「あのピエロを殺すために、一時的に協力しましょう。私の名前は片 霧子(ヒラキリコ)。自己紹介から始めない?」

切り替えが早いのか、目立ちたがりなのか。

少しうざい...。

「わ、私佐藤 春香(サトウハルカ)です!」

あの真面目ちゃんはハルカっていうらしい、凄くありきたりな名前。

「俺はお前らと協力する気ねーぞ」

不良っぽいやつが呟く、なんか...いきがってる感じ。


 ああ見えても愛玖はできない奴ではない、勝てる気は...しない。


それに...自分から公開するような真似、何がしたいの?..
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