小説置き場
□夢現でお話を。
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「夢ちゃん、現、早く支度しましょう、今日は夢ちゃんのだーいすきな、遊び場へ行きましょうね。」
「うつつ、ぼくがこーときせてあげるね。」
「だいじょうぶだよ、ひとりできれるよ。」
うつつ、僕の大好きなお兄ちゃん。僕とうつつは双子なんだ。
でもうつつは僕になにもさせてくれない。
ひとりでできるって。
でもそんなところもかっこいいおにいちゃん。
「ほら夢ちゃんはもう支度終わってるのよ?! 早くしなさい現!」
おかあさんはうつつに厳しくする。うつつはおにいちゃんだから、ちゃんとしなきゃいけないんだって。
「2人とも準備できたわね?さあ、行きましょう。車にのって。二人は後ろの席ね。」
おとうさんの車はきらい。いやなにおいがするから。
でもうつつは、いっちゃだめだぞっていってた。だからいわない。
これからぼくのすきなしょっぴんぐもーるにいくんだって。うつつはおっきいこうえんのほうがよかったっていってた。
だからおかあさんにいったら、もんくいわないのってうつつがおこられてた。
どうしておかあさんは、
「うつつばっかり、おこるの...」
「どうした、ゆめ?」
うつつがこっちをむいてぼくのあたまをなでてくれた。
「ううん、だいじょうぶだようつつ」
えがお、えがお、うつつはぼくがわらうとわらってくれる。
だからわらう、にこにこわらう。
うつつ、うつつ。ぼくのだいすきなおにいちゃん。
「ほらついたわよ、行きましょう夢ちゃん、現。」
ぼくはうつつと手をつないでおりた。
「さむいけど、うつつのてはあったかいね」
「ゆめのてはつめたいね」
ねえ、うつつ、このては
はなさないで。